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女子W杯控えるなでしこJが田中美南の2発含む7ゴールでオルカ鴨川に圧勝! 本番見据えてPK戦も実施

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なでしこジャパンが圧勝した

[7.5 練習試合 日本女子代表 7-0 オルカ鴨川 JFA夢フィールド]

 女子ワールドカップに向けて準備を進める日本女子代表(なでしこジャパン)は5日、オルカ鴨川FC(なでしこL1部)とのトレーニングマッチを行った。6月27日からスタートした国内トレーニングキャンプで初の実戦形式。40分×3本を戦い、7ー0の勝利を収めた。

 1本目は3-4-2-1のフォーメーションで臨んだ。ゴールマウスにはGK山下杏也加(I神戸)が立ち、センターバックは左からDF南萌華(ローマ)、DF熊谷紗希(ローマ)、DF三宅史織(I神戸)の3枚。ボランチにはMF長野風花(リバプール)とMF長谷川唯(マンチェスター・C)が並んだ。左のウイングバックにはMF杉田妃和(ポートランド・ソーンズ)が入り、右はDF清水梨紗(ウエスト・ハム)。インサイドハーフにはMF猶本光(浦和)とMF藤野あおば(東京NB)が並び、最前線にFW田中美南(I神戸)が立った。

 立ち上がりから攻勢に転じた日本は6分、左サイドからのコーナーキックがファーサイドへ流れると、南が左足で狙ったシュートがゴール左のポストに直撃。14分には右のコーナーキックを猶本が蹴り込み、熊谷がヘディングシュートを放ったが、こちらは相手GKに抑えられた。

 セットプレーからチャンスを作る日本は流れの中からも好機を演出。17分には、トップ下の位置に入った藤野と猶本のコンビネーションからシュートまで持っていった。すると19分、田中美が鋭い動き出しからボールを受けると、ペナルティエリア内左からゴール右に突き刺して先制点を挙げた。

 1点リードで勢いにのる日本は20分、右のウイングバックに入った清水がゴール前にクロスボールを送ると、逆サイドから走り込んだ杉田がダイビングヘッド。しかし、こちらはゴール左のポストを叩いて追加点とはならない。それでも22分、藤野がピッチ右からボックス内に鋭いパスを入れると、そのボールを受けた田中美が強引に押し込み、リードを2点に広げた。

 32分には、清水がハーフライン付近からゴール前にロングボールを入れると、ペナルティエリア内左から長谷川が折り返し、熊谷が押し込んで3点目。1本目終盤にかけては押し込まれる時間帯もあったが、山下が好セーブを見せて無失点のまま2本目に繋いだ。

 2本目も1本目同様に3-4-2-1の布陣。ゴールマウスは山下に代わりGK平尾知佳が立ち、三宅がアウトでセンターバックの右に清水が降りた。清水が抜けたところにDF守屋都弥(I神戸)が途中出場。最前線は田中美からFW植木理子(東京NB)に代わった。

 日本は2本目の立ち上がりこそ鴨川に攻め込まれたが、そこからボールを握って試合を組み立て直す。最終ラインのボール回しに対し、2列目の4人と1.5列目の猶本と藤野がタイミングよく関わり、先頭の植木を狙った。

 日本は12分に3枚替えを行い、清水、長野、猶本を下げてDF高橋はな(浦和)、MF林穂之香(ウエスト・ハム)、MF宮澤ひなた(マイ仙台)を投入。両サイドを起点とした攻撃で追加点を目指した。24分には、右サイドから内側に数本パスが繋がり藤野がゴール前に抜け出すも、シュートは飛び出してきた相手GKに阻まれて得点とはならず。

 日本は27分にも選手交代を行い、熊谷、南、杉田、長谷川を下げてDF石川璃音(浦和)、DF古賀塔子(TP)、DF清家貴子(浦和)、MF谷川萌々子(TP)をピッチへ。30分には左サイドをスピードで突破した清家がゴール前にグラウンダーのボールを入れるも、走り込んだ藤野のシュートは大きく枠を外れた。

 ゴールが遠い日本はボランチの林を起点にチャンスを作るが、なかなか決定的なシーンが作れない。2本目終了間際には、高橋がハーフライン付近から入れたボールで清家に決定機が訪れるも、シュートはミートすることができず、3-0のまま3本目へ突入した。

 日本は2本目のメンバーを中心に立ち位置を変えて3本目へ。平尾、藤野、田中に代わってGK田中桃子(東京NB)、FW松窪真心(TP)、FW千葉玲海菜(千葉L)がピッチに入った。すると、その松窪がチャンスを作る。3分、守屋からの長いボールでディフェンスの背後に抜け出すと、相手GKに倒されてペナルティキックを獲得。このPKを林が冷静に決めて点差を広げた。

 追加点の後は相手にコーナーキックを立て続けに与えるも、田中桃が落ち着いて対応してゴールを許さない。11分には高橋を下げてDF小山史乃観(TP)を投入。19分には林に代えて長野をピッチへ送り込んだ。23分には武器のスピードで抜け出した千葉が相手GKとの一対一を沈めて5点目。26分には左サイド深くまで切り込んだ清家の折り返しを松窪が詰めてチーム6点目を挙げた。

 日本は追加点の直後に選手交代を行い、松窪を下げて植木を投入。植木はそのままインサイドハーフの位置に入った。30分には田中桃に代わってGK大場朱羽(TP)が途中出場。33分には右サイドに流れた谷川のクロスに植木が飛び込んで頭で叩き入れた。

 日本は10日以降の合流となるMF遠藤純(エンジェル・シティFC)とFW浜野まいか(ハンマルビーIF)を除いた女子W杯メンバー21人とトレーニングパートナー5人の計26選手が出場し、最後まで相手にゴールを許さず完封。7-0で圧勝した。各本数の間にはPK戦も行われ、こちらもすべて勝利している。

(取材・文 成田敏彬)
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