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U-22日本代表の守護神争いも加速…ベンフィカBで開幕全試合出場の小久保玲央ブライアン「いま一番いい状態」

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GK小久保玲央ブライアン

 U-22日本代表の正守護神争いを加速させ、さらなる高みを目指す。GK小久保玲央ブライアンベンフィカのBチームで開幕戦から4試合先発入り。「いま一番いい状態でできている」と自信をのぞかせた。

 2019年1月にベンフィカU-23に加入後、今季からトップチームとの契約を果たした。トップチームの2、3番手はBチームでの1番手としてゴールを守る。今季開幕から先発入りを果たすと、ここまで全試合に出場している。

 出場機会を掴んだ経緯については、チーム事情もあるようだ。GKオディッセアス・ブラホディモスが8月末にノッティンガム・フォレストに移籍したことで、トップチーム内の序列に変化が起きた。出場から遠のいていた小久保は「移籍もいろいろ考えたこともあった」と本音も見せつつ「ベンフィカで結果を残したいという思いもあった」と残留を決意。「彼が移籍したのが8月31日。そこまで自分を信じてやっていた」とポジティブな流れを引き寄せた。

 小久保はコンスタントに試合に出る意味を噛み締める。「一回一回試合を終えて映像を見て、しっかりとスタッフと話している。それがあるからこそ練習でもしっかりと活かせる」。いままでは練習でのプレーのみに完結していた。試合に出るからこそのトライ&エラー。「ちゃんと出て、その起きたミスを直していくことができている。本当にいい循環ができている」と手応えを口にした。

 大岩剛監督体制の発足当初から名を連ねる小久保は、2001年1月の早生まれということもあり、当初からチームをけん引。持ち前の明るさでムードメーカーとなっていた。3人1組のGKチームでもそれは変わらず。今回の招集でGK野澤大志ブランドン(FC東京)が初招集されたが、GK鈴木彩艶(シントトロイデン)とは常にポジションを争ってきた。

「彩艶含めていいGKがいっぱいいる。一試合一試合でチャンスをもらったとき、どれだけ監督に見せられるか。パリオリンピックで試合に出ることにつながるので、そこはみんなリスペクトし合いながら切磋琢磨できている」

 大岩監督も高く評価したのが、今年6月に行われた通算4度目の欧州遠征だ。プレミアリーグで活躍する選手も揃ったU-22イングランド代表を相手に2-0と完封勝利。試合後、大岩監督は「シュートストップ以外も、ビルドアップ、リスク管理も非常に評価できる内容。競争の中で今回、彼が出場する機会を得たので、そういう部分では彼のポジティブな部分は今後にぜひ生かしてほしい」と言及。小久保も試合後に「試合前日に本当にプレーが良くなってきてるから、だからお前を先発に決めた」と指揮官から言われたことを明かしていた。

 イングランド戦を振り返り、小久保は「無失点で抑えられたのは、自分的にもチーム的にもでかい」と語る。「彼らがすごいメンツですごく強いから。そこで無失点プラス勝利で収められたというのは、自分の中ですごく大きい」。正守護神争いに改めて力強く名乗りを挙げた。

 U-22日本代表はいよいよパリ五輪に直接つながる公式戦へ。パリ五輪一次予選も兼ねるU23アジア杯予選を戦い、来年4月にカタールで行われるU23アジア杯出場を目指す。

 欧州遠征から再びアジアの舞台に戻る。小久保も「ビビらずに自分たちのプレーをしていくことが、まず初戦は一番大事。点が入るまで集中力を切らさず戦って、全員で勝てたら」と力を込めた。19年には東京五輪を目指すU-22日本代表に選出も本大会メンバーには落選。「東京も行きたかったですけど、年代的にはパリ。代表活動を重ねていくたびに絶対に選ばれたい、落ちたくないという欲がどんどん強まっている」。まずはアジア勢からゴールを守り続ける。そして、チームとともにパリ行きの切符を手にするつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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