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北朝鮮の圧を飛ばす先制ゴール! 流れ変えたU-22日本代表FW内野航太郎は「もっともっとレベルアップしないと」

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FW内野航太郎 ※写真は過去のもの

[10.1 アジア大会準々決勝 U-22日本 2-1 北朝鮮 杭州]

「北朝鮮の圧力を感じましたし、あんな歓声のするスタジアムでプレーするのは初めてのことだった」

 アジア大会準々決勝、U-24北朝鮮戦。負ければ終わりのノックアウトステージのピッチへFW内野航太郎(筑波大)は先発し、国際大会ならではの緊張感と昂揚感に包まれた会場でのプレーを、そんな言葉で形容した。

「前半は良くなかった」という本人の言葉を借りるまでもなく、最初の45分間はチームパフォーマンスとしても、個人のプレーとしても合格点とは言いがたいものだった。北朝鮮DFに対してパワー負けするような場面もあり、なかなか良い形でボールを引き出すこともできていなかった。

 ただ、このまま終わるタイプでもない。後半開始早々の6分、最初に巡ってきたチャンスで“らしさ”をしっかり発揮してみせた。

 DF馬場晴也(札幌)のロングフィードをMF佐藤恵允(ブレーメン)がスペースで引き出し、ニアサイドへショートクロス。「一瞬、中へ行く振りをして」動き出した内野はDFの前に入り込んでこのボールに合わせる。

「インパクトは狙いどおりにいかなかった」と言うように、相手DFに当たってコースが変わる泥臭い形になったが、ボールは見事にゴールへと転がり込み、日本の先制点となった。

 この試合、もう一人のFW鮎川峻(大分)が体調不良のためにベンチ外となる中で内野にかかる期待は大きかった。前半は苦しんだものの、徐々に試合を進める中で試合のリズムにも順応。開始当初は戸惑ったスタジアムの雰囲気についても、「完全アウェイというのではなくて、すごく歓声も送ってくれて嬉しかった」と振り返ったように、声援を聴く余裕まで出ていたようだ。

「北朝鮮のDFは強かったですし、凄く意思の力を感じたというか、圧力も感じていた。結果として勝てましたけど、自分としてはもっともっとレベルアップしないといけないと感じた試合でした」

「最後は本当に時間が進むのが遅かった」という感覚も味わったと振り返った内野。国際試合の真剣勝負ならではの緊張感の中でストライカーらしく結果も残しただけでなく、成長への材料も手にする一戦となったようだ。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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