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2か月前の鎖骨骨折から復調。U-17日本代表FW道脇豊(熊本)が“ホットライン”からU-17W杯へ弾みの1ゴール

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4本目28分、U-17日本代表FW道脇豊(熊本)が左足でゴール

[10.31 練習試合 U-17日本代表 3-8 関東大学選抜]

 復調を印象づけるゴールだ。U-17日本代表FW道脇豊(熊本)が、関東大学選抜との練習試合(40分×4本)の3本目と4本目に出場。4本目28分に左足でゴールを決めた。

 左サイドを突いたMF吉永夢希(神村学園高)からのパスをニアでトラップ。そして、対角の左足シュートを右隅へ突き刺した。道脇は優勝したU-17アジアカップ(6、7月)初戦でも吉永のクロスから先制ヘッド。U-17ワールドカップ出場を決めた準々決勝でも吉永のアシストからゴールを決めている。その“ホットライン”によって大学生からゴールを奪った。

「(吉永)夢希のクロスからの自分のゴールというのはアジアカップからもあるので、そこは一つ自信を持ってオレと夢希の関係性はワールドカップでもやっていけると思っています。前回は1タッチシュートとかが多かったんですけれども、今回は上手くトラップで自分の懐に収めてシュートまで持って行けたので、そこも自分的には良かったかなと思っています」と微笑んだ。

 道脇はU-17アジアカップで4ゴールとエース級の活躍。帰国後は熊本トップチームで公式戦出場を続け、7月12日の天皇杯3回戦・鳥栖戦でプロ初ゴールを含む2ゴールを叩き出している。高校2年生ながら天皇杯で活躍し、J2でも計18試合に出場するなど経験を重ねていたが、8月30日の天皇杯準々決勝・神戸戦で鎖骨を骨折。全治8週間と診断され、U-17ワールドカップ出場が危ぶまれていた。

 だが、諦めずにリハビリを続けてメンバー入り。負傷してからの実戦は、10月29日の練習試合で45分間出場しただけだという。それでも、“復帰2戦目”で今後に繋がるゴール。「本当に選ばれたからには怪我を言い訳にしてはいけないと思いますし、今日、内容的には自分的にはあんまりだったんですけれども1ゴールという結果だけは残せたので、結果もコンスタントに残していければと思いますし、怪我の状態も良いので、鎖骨はもう治っているので、万全な状態でこれからやっていけると思っています」と力を込めた。

 この日の80分間のパフォーマンスについて、本人は全く満足していない。「キープとか大学生相手にあまりできていなかったという印象です。自分はFWなので全て良いボールが返ってくる訳では無いけれど、そういうちょっと浮いているボールとかでも身体を使って収められるようになれば、もっと良いなと思います。(コンディションはここから)上げるしか無いと思うので、しっかりインドネシアでもっともっとコンディションを高めていかないといけない」。抜け出しも得意とする道脇は、DFラインやボランチとの連係もより構築すること。そして、日本の代表、熊本の代表として世界で活躍する。

「(熊本では、)もちろん自分のストロングポイントを磨いていったんですけれども、ロアッソの特性であるショートパスとか繋ぐサッカーにも自分は練習からフォーカスしてやっていけているので、そういったところでも自分の成長をワールドカップで見せていけたら良いなと思っています。ロアッソもこの前残留を決めてこっちに専念できる最高の状態で送り出してくれているので、ワールドカップで頑張っていきたい。ワールドカップでは勝利ももちろんですけれども、得点だけにフォーカスして行きたい」

 この日2ゴールのFW徳田誉(鹿島ユース)らFWのポジション争いは熾烈だが、お互いに高め合いながら世界一を目指す考え。U-17ワールドカップで自身の成長角度を変え、五輪代表、A代表へ駆け上がる。

(取材・文 吉田太郎)
●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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