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1対1の強さはU-17日本代表でも屈指。DF松本遥翔(鹿島ユース)はU-17W杯で“今度こそ”存分に発揮する

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U-17日本代表のDF松本遥翔(鹿島ユース、右)はU-17アジアカップの“悔しさ”も持って世界と戦う

[10.31 練習試合 U-17日本代表 3-8 関東大学選抜]

「(U-17ワールドカップは)このくらいの強度だと思うので、このくらいの強度に慣れて行って、チームとしても、個人としてもやること、そして最終的に勝ち切ることを大事にしていけたらなと思います」

 U-17日本代表のDF松本遥翔(鹿島ユース)は、関東大学選抜との練習試合(40分×4本)で1本目と3本目に出場。1本目は大学3年生中心の相手に1-2、キャプテンマークを巻いた3本目は0-0だった。その松本が4歳年上もいた大学生との試合で学んだこととして挙げたのは、強度。そして、いち早く察知する力だ。

 1本目は相手の前からの奪い返しの前に、奪ったボールをすぐに失うシーンが増えていた。松本は「一回、前に全員で合わせて行っていく中で、20分くらいから上手く回せるようになって点に繋がるようなプレーも増えてきたので、そういう良いところに早く気付けるチームになっていかないといけないなというのは思いました」と語る。

 前日からトレーニングしていたオープンスペースへの動き出しと配球。ハイサイドへ抜け出す選手、また、その動きに伴って空いたスペースへ下りた選手へのパスが通り、チャンスに結びついていた。そこへ縦パスを入れるのは松本の役割の一つ。自分たちがどこで上回ることができるのか、いち早く感じ取って流れを引き寄せる。

 松本は鹿島ユースで主にCBやSHとしてプレー。この日は1本目にCB、3本目に右SBを務めた。スピード、コンタクトの強さを兼ね備えるDFは、個の力でも大学生に対抗。「そこは自信持ってというか、やっていかないと世界でもやっていけないと思うので自信を持つくらいで自分は良いかなと思っています。ゴリさん(森山佳郎監督)からも1対1の部分は言われていて。そこで負けちゃいけないのが一番ですし、ここで負けていたら世界でも通用しない」。対人の強さはU-17代表でも屈指。その強さを“今度こそ”存分に発揮する。

 松本は6、7月のU-17アジアカップ優勝メンバー。初戦で先発フル出場したが、その後体調不良の影響でベンチからも外れるなど、準決勝を含めて2試合のみのプレーに終わった。「優勝できて嬉しかったですけれども、自分としては本当に悔しかったです。でも、ワールドカップに行けるということで、ワールドカップに対して強い思いを持ってここまでやってきたので、それが良い形になってワールドカップに臨めればなと思っています」。鹿島ユースで「(代表スタッフが)絶対に見てくれると思っていた」と信じてアピールを続け、メンバー入り。特別な思いを持ってU-17ワールドカップへ向かう。

 対人の強さに加え、瞬間的な速さでのシュートブロックも強み。そして、迫力十分の攻め上がりやパンチのあるキックでもチームにプラスアルファを加える。鹿島ユースのチームメートで、U-17アジアカップを怪我で外れたFW徳田誉に「絶対にワールドカップに出れるようにするからその分、頑張ってくれ」と声を掛け、ともに努力して一緒にU-17ワールドカップへ。リーダーシップも特長の松本は「世界で1試合1試合懸ける思いでやりつつ、チームが勝利することが一番なので、そういうところをやっていければなと思います」。06ジャパンの“デュエルキング”は楽しみだという外国人選手とのバトルで必ず上回り、日本に白星をもたらす。 

(取材・文 吉田太郎)
●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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