beacon

U-22日本代表MF松村優太は“不慣れ”左サイドで3点目演出、ミドルで4点目マークと躍動「左もできると印象づけた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF松村優太(鹿島)

[11.18 国際親善試合 U-22日本 5-2 U-22アルゼンチン アイスタ]

 負傷者の代わりに出場し、ゴールという結果を残した。U-22日本代表MF松村優太(鹿島)は勝利を決定づける4点目をマーク。主戦場の右サイドとは逆の左サイドでもプレーできることを示す。「結果を残すことができて、松村は左もできるんだなということが印象づけた。ユーティリティ性という意味ではよかった」と手応えを語った。

 チームの常連だった斉藤光毅が負傷で不在の中、松村は今回の合宿時でも左サイドでプレーしていた。すると、本番で左サイドに立つことになる。前半44分、先発した左ウイング佐藤恵允が負傷。松村が代わりに投入された。

 最初の見せ場は後半30分にやってくる。MF鈴木唯人からパスを受けた松村が左サイドの深い位置まで突破。クロスを上げると、ファーサイドのDF半田陸が落とし、最後は鈴木がゴールに押し込んだ。そして3分後には自らゴールを決める。右サイドの半田からのパスを受け取ると、そのままドリブル。相手のプレスが来ないことを察すると左足を振り抜く。綺麗な放物線を描きながら、ゴール左隅に突き刺さった。

 持ち味のスピードだけでなく、どのポジションでもそん色ないプレーができるというユーティリティ性を見せつけた。松村自身はもともと「苦手意識はなかった」と強調。「鹿島でも右もやるし、左もある。FWをやっていたときもあった。この前のアジア大会はシャドーもやった。前ならどこでもできる準備はしているつもり」。どこでもプレーできるという実績を残した。

 それはオリンピック代表という特殊なチーム編成では重要なことだ。本大会ではオーバーエイジ3枠を使用すると、登録上限18人からわずか15人しかメンバーの枠はなくなる。だからこそ、1人が複数ポジションでプレーできれば、少ない人数でも戦術の幅を広げることができる。

 大岩剛監督体制が2022年3月に発足し、同月に行われたドバイカップU-23には招集された。次に招集されたのは同年11月の欧州遠征。そして今年9月のU23アジアカップ予選には呼ばれず、9月10月に初招集組で構成されたアジア競技大会のメンバーとしてチームをけん引した。

 成長が滞ればメンバーから外れる可能性がある厳しい道のり。だからこそ、招集されたときには常に結果を残さなければいけない。松村は「かなりの活動に参加させてもらってる中で、自分自身もそうやって代表の中でも結果を出せるように成長している実感もある」と自信を語る。

 アルゼンチンとの試合は21日にも予定されており、それが終わると今年の活動は終了。だが、松村はたゆまぬ心で精進を続ける。「またクラブに戻ってやり続けることが、このチームの強化につながる。みんなに負けてられないという思いはすごくある」。来年4月のパリ五輪アジア最終予選に向け、成長スピードをさらに加速させるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

TOP