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アルゼンチンを貫く右足一閃弾! U-22日本代表MF佐藤恵允が先制ゴール「きょうの勝利は自信につながった」

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先制ゴールを挙げたMF佐藤恵允(ブレーメン)

[11.18 国際親善試合 U-22日本 5-2 U-22アルゼンチン アイスタ]

 渾身の右足シュートをゴールに突き刺した。U-22日本代表MF佐藤恵允(ブレーメン)は前半18分に先制ゴール。自身は負傷して途中交代となったが、チームの勝利を喜ぶ。「きょうの勝利は本当に自信につながりました。自分自身、そのゴールを決めたということが一番大きい」と笑顔を見せた。

 左サイドから切り崩した。前半18分、MF松木玖生(FC東京)がボールを持つと、左サイドをDFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)が疾走する。しかし、松木はバングーナガンデにはパスを出さず、左サイド内側のPA手前で待ち構えた佐藤に鋭い縦パスを出した。ボールを収めた佐藤は、中央にカットインをしながらも冷静に周囲を確認。「間接視野であんまりプレスをかけてきていないと感じたので、そこからシュートしか狙っていなかった」(佐藤)。右足を振り抜くと、狙い通りにゴール左隅に決まった。

 その後は前半27分に一瞬の隙を突かれ、同点に追いつかれる。さらに佐藤は同42分に相手選手と接触して負傷。そのままピッチから出て、途中交代となった。試合終了後には元気な姿を見せており、念のため検査を受けるというが、「大丈夫だと思います」と笑みを浮かべていた。

 大岩剛監督体制では発足メンバーではなかったが、2022年6月のU23アジアカップで追加招集という形でメンバー入り。さらに、同大会で2得点の結果も残した。その後も招集はされるが、追加招集という形もあった。パリオリンピックにつながる今年9月のU23アジア杯予選には招集されず。一方で、初招集組が多数を占めるアジア競技大会のメンバーとしてチームをけん引する。選ばれたときはしっかりと結果を残し、アジア大会では2得点。そして、大岩監督からの評価を高めていった。

 今夏には明治大サッカー部からブレーメンに加入。現在はBチームだが、直近の試合では2試合連続でゴールも挙げた。自身の特長をすばやくアピールすることは、チーム内の生き残りでも重要。そのことをブレーメンでも学んでいる。パリ五輪を目指すチームでもそのサバイバルは今後さらに激化。その中で、いつも意識していることは「人生を変えるつもりで毎回挑む」ということ。その意識の高さが「今日のゴールにもつながっている」と胸を張った。

 試合以外ではチームのムードメーカーだ。それは初招集組がメインだったアジア大会でも発揮され、松村優太とともに結束力を高めたことを大岩監督も評価していた。そのメンタルは今回の活動でも健在。人見知りを自称する今回初招集のFW福田師王は佐藤の人柄に感謝しており、「先輩が優しくて話しかけてくれる」といじりやすい先輩として佐藤の名前を挙げていた。追加招集から始まった佐藤。しかし、いま着実にチームに不可欠な存在となりつつあるようだ。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

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