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「軌道的に入ったかなと思った」弾丸ミドルで先制点演出の毎熊晟矢が2ゴールに絡む抜群の存在感

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強烈なミドルシュートで先制点を演出した日本代表DF毎熊晟矢

[1.31 アジア杯決勝T1回戦 日本 3-1 バーレーン アルトゥママ]

 目の覚めるような弾丸ミドルが先制点につながった。日本代表は前半31分、左サイドから攻撃を組み立て、中央のMF遠藤航が横に流したところにフリーで上がってきていたDF毎熊晟矢(C大阪)が右足を一閃。強烈なミドルシュートが左ポストに当たって跳ね返ったところをMF堂安律が押し込んだ。

「軌道的に入ったかなと思った」。そう苦笑いした毎熊は「入らなかったと思ったら(堂安)律が詰めてくれたので良かった」と堂安に感謝。得点シーンの2分前にバーレーンがミドルシュートで初シュートを打った際、「相手に1本打たれたあとモニターに1-0と出ていて、シュートを打てていないんだなと感じた」という。日本は前半10分のFW上田綺世のヘディングシュートなどそれまでにもシュートを打っていたので毎熊が見た表示が何の数字だったかは分からないが、シュートの意識をより強めるきっかけになったのは間違いない。

「相手も後ろに重かったので、中のスペースで受けたら打てるなと思って入っていったら点につながったので良かった」。インナーラップなど内側にもポジションを取れるのは毎熊の特長でもある。「人との距離感を意識しているし、自分が外にいると人と人がつながらないなと思った。つなげるためにあそこにポジションを取ったし、遠藤選手にもパスの選択肢が増える」と胸を張った。

 24日のインドネシア戦(○3-1)同様、MF堂安律、MF久保建英との好連係を見せた毎熊だが、1トップのFW上田綺世との関係性も高まっている。後半17分にはオフサイドとなったが、一発のスルーパスを上田に通すシーンがあり、2-1の後半27分には毎熊からパスを受けた上田が鋭いターンで前を向き、試合を決定づける3点目をマークした。

 オフサイドとなった場面について「(上田は)顔を上げたら常に動いている。あそこは僕が遅れてしまったので申し訳ないなと思った」と悔やむと、3点目の得点シーンについても詳細に振り返った。「板倉選手が持ち運んで、(自分が)高い位置を取って南野選手が抜けていたので使いたかったけど、自分が遅くなってしまってオフサイドかなと思ったら、上田選手が顔を出してくれて、彼の個人技で決めてくれた」。こちらも点を決めたチームメイトを称えた。

 試合直後にも関わらず、冷静にゲーム内容を振り返る姿は、昨年9月のA代表デビュー当初から堂々と落ち着いたプレーを見せるピッチ上のそれと変わらない。自然体でいられる秘訣を問われると、「ちゃんと緊張しているし、会場の雰囲気や、日の丸を背負う重圧も感じている」と思わず苦笑いを浮かべた。

 2得点に絡む活躍にも「1点目は堂安選手がよく詰めてくれただけだし、3点目は上田選手の個人技。僕のはいいパスではなかった」と謙遜し、「ペナルティーエリアにフリーで入っていく場面もあったけど、最後のクオリティーが低かった。そこに入ったときのクオリティーが大事になる」と満足しなかった。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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