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手にした自信と余裕で「この舞台を楽しめている」、U-23日本代表に不可欠となりつつあるDF関根大輝

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DF関根大輝

[4.19 U23アジア杯GL第2戦 日本 2-0 UAE ドーハ]

 日の丸を背負った戦いを楽しんでいる。U-23日本代表DF関根大輝(柏)は、フィールドプレーヤー唯一の2試合連続フル出場。「コンディションはすごくいい。変に緊張もあまりない。普段と変わらないようなプレーを出している。うまくこの舞台を楽しめている」とここまでの戦いを振り返った。

 大幅に7人の先発を代えたUAE戦。各ポジションの組み合わせも変わったが、右サイドだけはMF山田楓喜と関根のコンビが初戦に続いて形成された。安定感のあるコンビネーションに山田楓もやりやすさを覚える。「おれのやりたいようにしてくれる。合わせることもできる選手なので、それはすごくやっていて楽しいし、助かる」と関根を評した。

 UAE戦は初戦・中国戦よりも手応えを感じた試合となったようだ。関根は「怖さを感じなかった」と率直に語る。左サイドで一度チャンスを作られる場面はあったが、「あれが唯一怖かった」とそれ以外に大きなピンチはなかった。「カウンターのところは対策していた分、うまく戻れていた」。相手の持ち味をうまく消し、2-0でグループリーグ突破を決めた。

「ポジショニングがすごくよかった」と自身の出来を挙げた。「うまくボールを回したし、右から崩してチャンスというシーンも何回もあった。そこは楓喜くんともいい関係を築けている」。前半13分には自ら持ち込んで鋭いミドルを放った。「ボールタッチの感覚的なものも、ちょっと遊び心を持てた」と笑みを浮かべた。

 昨年6月の欧州遠征で現メンバーとともに歩み始めた。同年9月のアジア競技大会では大学生メンバーを中心に準優勝という経験値を手にした。その後は代表活動から遠のいたが、今年は拓殖大サッカー部を1年前倒しで辞め、柏レイソルに加入。3月に代表再招集となり、定位置を掴んでみせた。

 代表活動への溶け込み具合も早かった。練習開始前のボール遊びにも積極的に参加。今大会のメンバー発表当日に人生初“小栗旬”風の金髪に染め上げ、仲間からいじられていた。マイペースな一面もあり、ホテルでは動画配信サイト『ネットフリックス』でアニメ『ナルト』を視聴開始。練習後は誰よりも早く練習場を去り、一番乗りで報道陣の取材に対応する。

 飄々と代表活動を楽しんでいる。山田楓が関根に感じた“やりやすさ”を、関根自身はチームに感じているようだ。

「チーム全体ですごくいろんな選手と喋るし、とにかくやりづらさがない。そういういい雰囲気のなかで試合ができている。誰と組んでもいパフォーマンスが出せているし、そういう面ではいいコミュニケーションが取れている」

 グループリーグ第3節では韓国と対戦。関根にとってはアジア大会決勝で敗れた因縁の相手だ。「レベルの違いを個人としてすごく感じた。その個人として、いま成長してきた自信がある。今の自分ならああいうプレススピードのなかでも絶対プレーできる自信もついた。相手が韓国なのでまず負けたくないし、そのうえで自分がいいパフォーマンスをして得点につなげられればいい」。高いレベルの相手と重圧を受けながら、自身の真価を確かめていく。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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