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6月のW杯2次予選も主力中心のメンバー選考へ! 欧州視察終えた森保監督「可能な限り試していきたいが…」

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成田空港で取材に応じた森保一監督

 日本代表森保一監督が30日、欧州各国の公式戦やAFC U23アジアカップの視察から帰国し、成田空港で報道陣の取材に応じた。「6月のA代表、その後の最終予選を見据えた選手の招集につながる良い視察ができたと思う」と手応えを口にした。

 4月上旬から欧州に渡った森保監督はDF伊藤洋輝所属のシュツットガルト、DF板倉滉所属のボルシアMG、MF鎌田大地所属のラツィオ、DF渡辺剛所属のゲント、FW小川航基とMF佐野航大所属のNECナイメヘン、GK鈴木彩艶ら所属のシントトロイデンといった代表選手の各国リーグ戦を視察。DF冨安健洋所属のアーセナルの欧州CLバイエルン戦2試合、MF遠藤航所属リバプールのELにも足を運んだ。

 また渡航直後にはフランクフルトの試合視察に赴き、今月現役引退を発表したMF長谷部誠とも面会。その他、欧州CLドルトムント対アトレティコ・マドリー、ELレバークーゼン対ウエスト・ハムといった日本人が所属していないクラブ同士のビッグマッチも視察したといい、「チーム戦術や個々にどうやって働きかけていけばいいかというところでいろんなアイデアを見させてもらった」と振り返った。

 こうした視察の成果は6月の北中米W杯2次予選2試合、そして9月から始まる最終予選に活かしていく構えだ。

 すでに日本代表は2次予選4戦全勝で突破を決めており、6月6日のミャンマー戦(ヤンゴン)、同11日のシリア戦(広島)は事実上の消化試合。それでも森保監督は「選手と戦術はミャンマー戦とシリア戦に向けて、その先に向けて可能な限り試していきたいが、試しすぎて9月にいいパワーを持てないことも考えられる。これまで招集してきた選手たちを中心に積み上げを考えながら、新たにチャレンジができる部分はチャレンジしたい」と述べ、これまでの主力メンバーを中心に戦っていく方針を示唆した。

 負傷者については「選手たちはシーズンを長く戦ってきて、怪我もありながら満身創痍で戦っている選手も多数いる。休ませてあげることも状況によって、これまでもやってきたように招集外にすることも考えていきたい」と一定の配慮をしていく構え。また6月はパリ五輪の準備が佳境に入るため、オーバーエイジ組の派遣には「日本代表サッカーファミリーとして、日本代表がメダルを取るためにいい連携でサポートできればと思っている」と前向きな意向を示した。

 その一方、新戦力の発掘を目的とする大幅なメンバー変更には慎重だ。

「あまり代表期間が空くと別のチームになってしまうこともあり得る。連係が難しくなることもあるので、まずは選手ファーストで怪我をしないようにということも考えないといけないが、プレーできる状況であれば、プレーを継続して問題がなければ招集に入ってくると思う」(森保監督)

 前回カタールW杯2次予選では突破決定後、オーバーエイジ組が参加した東京五輪の活動もあったため、大幅なメンバー入れ替えを敢行したが、3か月後の最終予選序盤でオマーン、サウジアラビアに敗れるなど大苦戦。そうした反省も活かし、北中米W杯本大会に向けたチーム構想の主軸を担う選手たちを多く含めた編成になりそうだ。

 もっとも、今回の欧州視察後にはカタールに渡り、DF谷口彰悟(アルラーヤン)のカタールリーグ公式戦に加え、U-23日本代表が参加中のU23アジア杯もスカウティング。グループリーグ第3戦・韓国戦、準々決勝カタール戦、準決勝イラク戦のスタジアムに入り、パリ五輪出場決定の瞬間も見届けていた。

 こうした若手世代のA代表抜擢も時間をかけて行う意向。森保監督は「6月の活動では大岩ジャパンが五輪に向けて強化をどうできるかというところで話し合いながらなので、現実的にはすぐではないが、継続していいプレーをもらえればさらに伸び代があるなと楽しみな選手も何人かいた」と述べつつ、「呼ばせてもらいたいと思っている選手もいる」と明らかにした。

(取材・文 竹内達也)

●北中米W杯アジア2次予選特集
竹内達也
Text by 竹内達也

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