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先制点を挙げた横浜FC DF堀之内「残り2試合はトーナメント」

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[10.28 J2第40節 横浜FC 3-0 草津 ニッパ球]

 試合の主導権を握り、決定機をつくっても得点が挙げられない。そんな嫌な流れを変えたのは、横浜FCのDF堀之内聖だった。前半42分のCKの場面、ファーサイドでフリーになると、MF高地系治が入れた柔らかいボールをヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。今季、逆転勝利のない草津を相手に、価値ある一撃だったが、堀之内は気を緩めることはなかったと明かす。「DFが点を取ると負ける試合が続いていたので。DFにとっては鬼門だったんですけど(苦笑)。とりあえず今日は勝つことができて良かったです」と笑顔を見せた。

 堀之内のゴールで先制した横浜FCは、前半終了間際には草津のFWアレックス・ラファエルがラフプレーで一発退場となり、数的優位も得た。後半も余裕を持って試合を運べるかと思われたが、逆に試合の主導権を握ったのは草津だった。この時間帯については反省しなければいけない、と堀之内は振り返る。

「 (草津が)10人になって、難しい部分もありました。自分たちの気持ちが、少し守りに入ったのかもしれません。後半の立ち上がりは、相手が結構、前に来たこともあったのですが、あそこをうまくかわして、いなして、自分たちのリズムにできないといけない。そこは課題として残ったと思います」

 試合の2日前に33歳となったDFは、昨シーズン、公式戦に1試合も出場できなかった悔しさを忘れていない。サッカー選手としての自身の価値を証明するため、また誇りを取り戻すために、横浜FCに加入したベテランは、今の状況を心から楽しんでいる。

「この時期に緊張感を持って戦えるチームは限られているので、その楽しさを喜びに変えて試合ができればいいと思います。ここからの2試合はトーナメントみたいなもの。勝って結果を待つしかないです。可能性がある限りは、ひとつでも上を目指したいので」

 次節、東京V戦に勝てば、横浜FCのプレーオフ出場が決まる。だが、プロ11年目のシーズンで、初めてJ2の舞台を戦っている堀之内は、最後まで自動昇格を目指して戦い続ける。

(取材・文 河合拓)

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