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大宮がクラブ新7連勝で21戦不敗も…救急車がピッチに入り広島GKを搬送

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[5.6 J1第10節 大宮2-1広島 NACK]

 J1第10節は6日、各地で9試合を行い、NACK5スタジアム大宮では首位大宮アルディージャが7位サンフレッチェ広島に2-1で競り勝ち、7連勝でクラブ記録をさらに伸ばした。J1不敗記録も21試合(13勝8分)に更新。首位を守ったが、決勝点のシーンで大宮FW富山貴光と広島GK増田卓也が激しく衝突し、救急車がピッチ内に入って増田を搬送するアクシデントが起きた。

 クラブ新記録の6連勝中で、昨年9月から20試合連続負けなし(12勝8分)のJ1不敗記録も更新中の大宮は前節3日の大分戦(2-0)と同じ先発メンバーで臨んだ。
 中2日の大宮に対し、広島はACL北京国安戦(0-0)から中5日。GK西川周作が左ふくらはぎ痛、MFミキッチが体調不良で欠場し、代わってGK増田卓也、MFファン・ソッコが今季初先発となった。
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 気温27.1度という暑さもあり、日程面で不利な大宮はなかなか運動量が上がらない。それでもスロベニア代表コンビの強力2トップがチャンスメイク。前半15分、MF渡邉大剛の縦パスがDFに当たってゴール前に抜けてきたところをFWズラタンが右足で狙ったが、ゴール上へ。同23分には左サイドでボールを持ったMFチョ・ヨンチョルが右足に持ち替えてクロス。ゴール前のFWノヴァコヴィッチが右足ボレーで合わせたが、至近距離でGK増田のビッグセーブに阻まれた。

 大宮は2人のCBとダブルボランチのうちの一人が広島の1トップと2シャドーを厳しくマーク。広島はなかなか流れの中からチャンスをつくれなかった。前半34分、右45度の位置からMF青山敏弘が右足で直接FKを狙うが、わずかにゴール左へ。同36分、青山の縦パスを受けたFW佐藤寿人が振り向きざまに左足でシュートを打ったが、これも枠を捉え切れなかった。

 0-0で折り返した後半開始から広島はMF山岸智に代えてMFパク・ヒョンジンを投入。パクはそのまま左サイドハーフに入った。後半6分、そのパクのロングボールに抜け出したMF石原直樹が胸トラップからフィニッシュにつなげたが、右足のシュートはゴール左へ。それでも広島は相手のバイタルエリアに生まれ始めたスペースを突き、徐々に押し込んでいった。

 大宮は後半20分、チョに代えてMF渡部大輔を投入し、最初のカードを切る。すると直後の22分、右サイドでボールを持ったDF今井智基がパクとの1対1から縦に突破。ピンポイントクロスにノヴァコヴィッチが頭で合わせ、ついにゴールネットを揺らした。ノヴァコヴィッチの3戦連発となる今季5得点目で、押され気味だった大宮が逆に先制点を奪った。

 リードを許した広島は後半25分、ファンに代えてMF井波靖奈を投入。一方の大宮は同30分、ズラタンに代わってFW富山貴光がピッチに入った。大宮は後半31分、相手のパスをインターセプトしたMF青木拓矢がそのまま左足でミドルシュート。これはGKに弾かれたが、このプレーで獲得したCKのセカンドボールを再び青木がエリア外から右足ミドルで狙った。しかし、これもGK増田の手をかすめてクロスバーを直撃。惜しくも追加点とはならなかった。

 すると、その直後だった。広島は後半32分、カウンターからパスを細かくつないで相手陣内に攻め込むと、MF高萩洋次郎から右サイドのスペースでパスを受けた井波がゴール前にグラウンダーのクロス。DFとGKの間を抜けてきたボールに佐藤が滑り込みながら左足で合わせ、1-1の同点に追いついた。

 それでも、不敗記録を更新中の大宮が底力を発揮する。後半39分、GK北野貴之のパントキックが相手ゴール前まで抜けてくると、広島DF水本裕貴がヘディングでGKにバックパス。ここに猛然と詰めた富山が、飛び出してきたGKよりも一歩早くヘディングで捉え、ゴールネットを揺らした。

 2-1の勝ち越しゴール。しかし、ヘディングの直後に富山とGK増田が頭部同士で激しく衝突。両者ともに立ち上がることができず、ゲームはいったん中断した。富山はそのまま担架で運び出されたが、増田はピッチ上に倒れたまま動かすことができず、約15分後に救急車がピッチ内まで入り、増田を搬送した。富山も担架で運ばれたあと、別の救急車で病院に搬送された。

 富山はDF片岡洋介、増田はGK原裕太郎と交代となり、中断から約20分後、後半39分の時点からゲームは再開。その後は雷雨にも見舞われながらロスタイムの4分間までプレーしたが、試合はそのまま大宮が2-1で逃げ切った。

(取材・文 西山紘平)

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