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1年半ぶりJ帰還…京都チョウ監督が初陣白星「全員の思いがあの2点に乗った」

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京都サンガF.C.チョウ・キジェ監督

[2.28 J2第1節 相模原0-2京都 ギオンス]

 京都サンガF.C.チョウ・キジェ監督が就任初戦を白星で飾った。昇格組のSC相模原を相手に攻めあぐねる苦しい時間帯もあったが、終盤にセットプレーとミドルシュートで2点を奪っての勝利。試合後には「彼らが90分間ブレずにやり続けてくれたことが、勝ったことよりも良かった」と選手たちの奮闘をたたえた。

 チョウ監督にとっては湘南ベルマーレでのラストマッチとなった2019年8月以来、約1年半ぶりとなるJリーグのピッチサイド。空白期間には大学生に受け継いできた勝負へのこだわりは、試合前のコイントスから始まっていた。

 この日の相模原ギオンスタジアムはピッチを縦断するように強風が吹きつける天候状態。コイントスでコートの選択権を得ると、前半はあえて風下のエンドを選択した。その裏には「われわれは後半のATに近づくほどエネルギーが増していくチームにしたいと思っている中で、攻め焦らないようにしたい。戦術的な狙いはもちろんあったが、悪い意味でバタバタしないように」という狙いがあったという。

 そしてキックオフを迎えると、試合は指揮官のゲームプランどおりに運んでいった。前半は相手のロングボールやセットプレーで押し込まれる時間帯もあったが、後半は一転してハーフコートゲームを展開。選手交代も含めて勝負をかけた終盤にDFヨルディ・バイス、MF三沢直人のゴールが立て続けに決まり、開幕戦での勝ち点3をもぎ取った。

「まだ42分の1終わっただけで成果は得ていないし、何も達成できていないけど、『われわれは最強のチームではないけど、最高のチームになろう』ということを掲げてやってきた。今日ピッチに立った選手、残念ながら立てなかった選手、サンガタウンで練習している全員の思いがあの2点に乗ったのかなということが監督としてうれしかった」(チョウ監督)。

 試合後のオンライン会見で指揮官は、選手たちの「みんなでまとまった試合ができた姿勢」や「90分間足を止めないサッカーをしようという意欲」を称えた。その一方で「全体のことで言えばまだまだ足りないことはある」と強調し、サッカーのクオリティー面では発展途上にあることを示唆した。

 それでも変革初年度のチームにおいて、土台となるメンタリティーに手応えを得られたことは今後の財産となりそうだ。チョウ監督はこの一戦での勝利を「勝ったからといって課題はゼロではないが、一足飛びにいきなり0から10にジャンプできるわけではない。一つずつジャンプしていくためには今日の勝ちは大きいと思う」と前向きに総括した。

(取材・文 竹内達也)
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