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熟練ダブルボランチが圧巻パフォ、前線の新加入組も躍動…金沢・柳下監督「こういうゲームを続けていくことが大事」

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中盤を支えるMF大橋尚志

[3.20 J2第4節 東京V2-4金沢 味スタ]

 J2リーグ7年目を迎えたツエーゲン金沢が、3月に入って好調を続けている。先月末の開幕節こそ敗れたものの、ここ3試合は2勝1分と無敗を継続。この日は東京ヴェルディに先制点を奪われながらも激しいプレッシングで盛り返し、終わってみれば今季初の4ゴールを挙げての圧勝となった。

 柳下正明監督は試合後のオンライン取材で「開始直後に素晴らしいパンチを食らったが、落ち着いてプレーをしていたし、やろうとすることをやってくれていた。前の2試合に比べてマイボールから失う回数が少なく、シュートで終わるプレーやゴールに運ぶプレーが増え、自分たちのリズムを作ることができた。こういうゲームを続けていくことが大事」と手応えを語った。

 好調を支えているのは、前線を起点にスイッチが入るアグレッシブな守備だ。4-4-2の2トップを担うFW丹羽詩温(←愛媛)とFW瀬沼優司(←横浜FC)、両サイドハーフのMF嶋田慎太郎(←大宮)とFW大谷駿斗(←富山)は全員が新加入選手。それでも迷うことなくチームスタイルを体現し、この日もパスワークに長所を持つ相手の攻撃を何度ものみ込んでいた。

 とくにこの日の合計3ゴールを挙げた2トップの守備面の働きは顕著。柳下監督も「自分たちからパッと状況に応じて動けるので、プレスのタイミングが後ろの選手も分かりやすくて、スイッチも入れやすい。守から攻、攻から守の運動量も多い。前線からのタフな運動量を出してくれている」と称賛を惜しまなかった。

 またそうした前傾布陣を支えるのは、チーム5年目のMF大橋尚志、同4年目のMF藤村慶太による熟練のセントラルハーフコンビだ。守備では最終ラインを埋める場面、相手の中盤に食いつく場面を見事に使い分け、攻撃では年々ポゼッション力を積み上げるゲームメークの軸として絶大な存在感を発揮。チームに最も欠かせない存在となっている。

「4試合ともミスなくボールを握っているかというとそうではない」とこの日のパフォーマンスには驚きも見せ、「チームの勝負どころのパスの精度も上げてくれれば、もっともっとチャンスになる」と課題も指摘した柳下監督だったが、それは期待の裏返し。「有酸素能力が非常に高く、ああいう役割をさせている。非常にキツいとは思うけど、守備から攻撃にといいポジションをここ2、3年間と取れている。ほとんど言わずにやってくれているので助かる部分が大きい。戦術的な理解が高いので、ちょっと言えば二つ三つ理解してくれているし、周りの選手も動かせる」と賛辞の言葉は止まらなかった。

 その他にも、左サイドでのビルドアップ起点を一手に引き受けるDF渡邊泰基とG大阪から加わったDF松田陸の前橋育英高出身の21歳同級生SBコンビ、DF庄司朋乃也(23)とDF石尾崚雅(20)のC大阪出身CBコンビで構成された最終ラインは将来性豊か。昨季18位から巻き返しを目指すシーズンだが、J2の台風の目となる可能性もありそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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