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柏はホーム最終戦で残留決められず…最終節は“アドバンテージ大”も指揮官は「しっかりと戦えという神様からのお告げ」

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柏は13-1という記録的大勝をした19年以来ホーム最終戦では未勝利

[11.25 J1第33節 柏 2-2 鳥栖 三協F柏]

 開始30秒足らずでCKを与えるなど、前半の入りでサガン鳥栖にのまれていた柏レイソルは、その流れを引きずったまま4分にFW富樫敬真に先制点を許してしまう。残留を懸けたホーム最終戦。「気合いが全員入ってるはずなのに、やっぱりどっか硬くなったのかな」とFW細谷真大は感じていたという。

 それでも前半のうちに、ショートカウンターからFWマテウス・サヴィオ、サヴィオとのホットラインから細谷、と柏の得意なカタチでゴールを奪い、逆転に成功する。

「柏の勝利」以外に今節で残留を決めるには、他会場の17位湘南対18位横浜FCで「湘南が引き分け以上」という結果が必要だった。それも後半4分に湘南が先制したことで、残留の条件を満たしたまま時計の針は進んだ。

 ところが、「今シーズンの課題」(細谷)はこの試合でも顔を出した。後半22分にFW長沼洋一に同点ゴールを許し、その後は再びリードを奪うことなく試合終了の笛を聞いた。細谷が指摘するように、先制を奪いながらもリードを守れなかった試合は鳥栖戦だけではない。前節・鹿島戦(△1-1)、前々節・川崎F戦(△1-1)も先制しながら引き分けに持ち込まれており、シーズンを通せば先制点を奪って勝利に結び付けられなかった試合は、鳥栖戦を含めて9試合(8分1敗)にのぼる。

 それでも、シーズン序盤と比すればチームの状況はポジティブだ。昨年から続いていた「10戦未勝利」からはじまった2023シーズン。ようやく勝利を挙げたのは、第7節・鹿島戦(◯1-0)だった。それでも勝ち点を積み上げるきっかけにはならず、ネルシーニョ監督が退任。井原正巳ヘッドコーチが昇格するカタチで第14節・神戸戦(△1-1)から指揮を執った。

 監督交代をもってしても起爆剤とはならず、井原監督就任後も8戦未勝利のまま夏の中断期間に入った。その中断期間に戦い方を整理できたことで試合内容は劇的に向上、8月以降は黒星も減り、4勝6分2敗と着実に勝ち点を積み上げることに成功。天皇杯でも決勝に進出した。

 12月8日に川崎Fとの天皇杯決勝を控えるが、まずはJ1残留を決めなければならない。次節、敵地での名古屋戦では、引き分け以上で自力、横浜FCが鹿島に引き分け以下でも残留が決定する。柏が敗れて横浜FCが勝利したとしても、得失点差で柏が「12」上回っているため、柏にとっては大きなアドバンテージを持って最終節に臨める。

「最終戦もしっかりと戦えという神様からのお告げだと思います。しっかり勝って、天皇杯につなげたい」。指揮官は今シーズンの残り2試合を見据えていた。

(取材・文 奥山典幸)
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