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J1復帰目前のPK献上に清水DF高橋祐治「止めなきゃというのがあったけど…」

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土壇場でのPK献上となったDF高橋祐治

[12.2 J1昇格PO決勝 東京V 1-1 清水 国立]

 J1昇格に向けた“最後の椅子”を争うプレーオフ決勝戦、運命を分ける1点はPKから生まれた。後半アディショナルタイム4分、清水エスパルスは敵陣でのボールロストからカウンターを受けると、DF高橋祐治がペナルティエリア内でスライディングを敢行。これがFW染野唯月へのファウルを取られ、このPKでJ1復帰を逃す同点ゴールを献上した。

 池内明彦主審がPKのホイッスルを吹いた直後、清水の選手たちが一斉に抗議に向かった際どい判定。ただ、高橋の足はボールにまっすぐ向かっていたものの、先に染野が踏み込んだ足に当たっており、VARのチェックを経ても判定は覆らなかった。この同点ゴールにより、試合は1-1のドロー。規定により、レギュラーシーズン上位の東京ヴェルディの昇格が決まり、清水はJ1復帰を逃した。

 試合後、報道陣の取材に応じた高橋は「映像も見返して、中も(相手選手が)いなかったし、自分としてはちょっと厳しい(判定だ)なと思ったりもしているけど、でもVARもあって、そういう判定だったので覆せない。もっと落ち着いて対応できていたらと思う」と反省の弁を語った。

 もしスライディングに行っていなくても、染野を外に追い込んでいれば、数的優位で対応できていた可能性が高い場面。「ロスタイムにも入っていたし、自分のところが最後のところなので止めなきゃというのがあったけど、打たせても大丈夫な角度だったし、もっと落ち着いて対応できていたら……」と悔やむしかなかった。

 J1自動昇格がかかるJ2最終節・水戸戦でもパスミスで失点に関与し、シーズン最終盤に大きな悔しさを味わった高橋。「最終節の水戸戦でも自分がやって、プレーオフに行くことになってしまった。最後の試合でも最終的にああいうプレーをして、チームをJ1に上げられなかったのですごく悔しいし、反省している」と沈痛な表情を浮かべ、「でも下を向いてもいられない。もっと強い姿を来年見せるしかない。次に向けて頑張りたい」と静かに決意を語った。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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