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新シーズンのレフェリーブリーフィング実施、来季VAR運用では一部事例の解釈統一へ

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レフェリーブリーフィングが行われた

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は3日、千葉市内でレフェリーブリーフィングを開催。JFA審判マネージャーを務める佐藤隆治氏が2024シーズンのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)について説明した。

 運用に関しては2023シーズンと基本的に変更はなし。その上で“共通理解”として2点の解釈を統一していくという。

 1つ目はPK時に競技者(攻撃側・守備側)がペナルティエリアに進入し、ゴールポスト、クロスバー、またはGKからボールが跳ね返った後、プレーに直接関与したというケース。反則があった攻撃側の選手がプレーに関与し、得点または得点やPKにつながるAPP(アタッキング・ポゼッション・フェイズ)に関わった場合、VARが介入するという運用に統一する。また反則があった守備側が関与した時には、直接得点になる可能性がある状況で攻撃側のプレーを妨げた場合、そこにもVARが介入することになる。

 2つ目は主審がPKの判定を下した後、VARオンリーレビューまたはオンフィールドレビュー(OFR)によりPKを取り消しされた場合の再開方法について。PK判定がなされた時点でボールが外に出た場合、これまではゴールキックやCKでの再開だったが、VARチェックはPKの可能性に対して行われる原則のため、「PK」→「OFR」→「PKをキャンセル」という流れでプレーが再開される時は、「ドロップボール」での再開となるという。

 佐藤氏は「VARが使用するプロトコルにはこのようなケースは書いていない。それはレフェリーが間違えたという前提をルールに作っていないから。そのため笛を吹いたときにボールが外に出ていたらCKから再開しようというリーグもある」と補足説明。その上で「われわれが競技規則に基づいて立ち返ると、その根拠はVARのチェックはポッシブルPK(PKの可能性)に対して行っているということで理解したい」とドロップボールとする理由を述べた。

 加えて佐藤氏はVARによるチェックにかかる時間について理解を求めた。23シーズンのJリーグでは3Dオフサイドラインを採用しながらも、VARオンリーレビューに費やした時間は昨年比から3.4秒増にとどまっていた。

 さらなるスピード改善を目指すつもりだというが、「この確認に関して時間がかかるということをいま一度理解していただきたい」と強調。「『最小限の干渉で最大の利益を得る』という原則のもと、正しさと素早さに努めていきたい。ただ、3Dを使えばやはり時間はかかる。どれだけ待たせるんだという部分を、僕らがどれだけ縮められるか。皆さんに理解していただければ」と呼び掛けていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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