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昇格争い前哨戦は千葉がPK戦で柏下す

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[2.21 ちばぎんカップ 千葉1-1(PK4-3)柏 フクアリ]

 プレシーズン恒例の第16回ちばぎんカップが21日、フクダ電子アリーナで行われた。柏レイソルは前半4分にMF澤昌克のゴールで先制したが、ジェフユナイテッド千葉も同36分にMFアレックスが同点弾。1-1のまま90分間を終え、PK戦の末、千葉が4-3で勝った。

 千葉は4-3-3のシステムで、GK岡本昌弘、4バックは右から坂本將貴、茶野隆行、益山司、渡邊圭二と並んだ。中盤は山口慶がアンカーに入り、左前に佐藤勇人、右前に工藤浩平。前線は右から深井正樹、巻誠一郎、アレックスの3トップだった。
 柏は4-4-2で、GK菅野孝憲、4バックは右から小林祐三、酒井宏樹、近藤直也、藏川洋平。中盤は大谷秀和と栗澤僚一のダブルボランチで、右に澤昌克、左に林陵平。北嶋秀朗とフランサが2トップを組んだ。

 立ち上がりは千葉が出足良く柏陣内に攻め込んだが、先制点を決めたのは柏だった。前半4分、北嶋が左に展開すると、林が逆サイドへ大きなクロス。これを澤が頭で押し込み、幸先良く1点を奪った。

 互いに積極的にプレッシャーをかけ、球際では激しい攻防が展開された。ボール支配率で上回っていたのは千葉だったが、柏も自陣内では素早く複数の選手で囲い込み、自由にさせない。クロスに対してもセンターバックが強さを発揮。相手にチャンスを与えず、逆にボールを奪うと、鋭いカウンターを見せていた。

 千葉は前半32分、佐藤勇が左サイドの深い位置で粘ってボールを奪い、クロス。これに巻が左足ボレーで合わせたが、ゴール左に外れた。同36分には工藤の折り返しを再び巻がシュート。ここはGK菅野が好セーブでしのいだが、その直後に同点に追いつく。細かいパスを中央でつなぎ、最後は深井のスルーパスに抜け出したアレックスが左足でフィニッシュ。試合は1-1で後半に折り返した。

 柏はハーフタイムに北嶋に代えてMFアルセウを投入。アルセウが中盤の底に入り、澤と林の両サイドが高い位置に出る4-3-3にシフトした。千葉は前半と同じメンバーで後半に臨んだ。

 展開力のあるアルセウが中盤に入ったことで柏はボールが回り出した。パスをつなぎながらサイドに散らして攻撃を組み立て、千葉がプレッシングからカウンターを狙う前半とは反対の展開になった。

 柏は後半16分、林に代わってMF菅沼実、同17分には大谷に代わってMF茨田陽生が投入され、同じポジションに入った。千葉も後半19分に渡邊に代えてMF倉田秋を入れ、初めての選手交代を行った。千葉はアレックスが左サイドバックに下がり、倉田が左FWの位置に入った。

 この交代で流れを引き寄せたのは千葉。倉田が神出鬼没な動きでボールを呼び込み、リズムを変えた。後半22分には倉田がワンツーで右サイドを抜け出し、最後は山口がミドルシュートを狙ったが、ゴール上に外れた。

 千葉は後半25分に深井がMF村井慎二、同34分に工藤がMF太田圭輔に交代。村井が左FW、太田が右FWに入り、倉田が工藤のいた右のインサイドハーフにポジションを下げた。

 終盤は千葉の運動量が落ち、足が止まり出した。柏が押し込む時間が増え、後半42分には澤のスルーパスを受けたフランサがシュート。GKの弾いたボールを澤が狙うが、わずかに枠を外れ、絶好の決定機を逃した。

 結局、試合は1-1のまま終了。大会規定により、延長戦なしでPK戦に突入した。後攻の千葉は1人目のアレックスが菅野に止められたが、柏も3人目のアルセウがクロスバーに当て、5人目のフランサのキックはGK岡本がセーブ。最後は巻が落ち着いて決め、4-3。今季、J2で昇格を争うライバル同士の前哨戦は千葉が制した。

<写真>フランサのPKを止め、ガッツポーズを見せる千葉のGK岡本昌弘

(取材・文 西山紘平)

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