[9.19 J2第26節 千葉2-3柏 フクアリ]

　J2第26節は19日、各地で7試合を行い、フクダ電子アリーナでは4位ジェフユナイテッド千葉と首位柏レイソルが対戦。今季2度目の千葉ダービーは柏が3-2で競り勝った。3連勝で2位に勝ち点8差、4位千葉に同16差を付けた柏。J1復帰へ大きな勝ち点3を手にした。

　前半9分に柏がFW林陵平のゴールで先制すると、同17分に千葉もMF谷澤達也が同点ゴールを決めたが、同33分にFW北嶋秀朗のゴールで柏が再び勝ち越す。その後10人になった柏だが、後半36分にMFレアンドロ・ドミンゲスのゴールで3-1と突き放し、千葉の反撃をFW青木孝太の1点に食い止めた。

　千葉はFWネットが体調不良のため欠場し、FW青木孝太が11試合ぶりに先発。DFラインではDF茶野隆行が2試合ぶりに先発に戻った。
　柏はDF小林祐三が出場停止明けで復帰。MF茨田陽生が10試合ぶり、FW北嶋秀朗が21試合ぶりに先発した。
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　立ち上がりから出足良く、いい入り方を見せたのはアウェーの柏だった。前半2分、MF栗澤僚一がドリブルで持ち込み、右サイドをオーバーラップしたDF小林祐三にスルーパス。小林の折り返しに北嶋が飛び込んだが、シュートは浮いてしまった。

　開始早々の決定機で攻勢を強める柏は前半9分、早くも先制に成功する。カウンターから相手ゴールに迫ると、右サイドの小林からMF大谷秀和を経由して逆サイドでフリーのDF橋本和へ。橋本の正確な左クロスにファーサイドからFW林陵平が飛び込み、ヘディングで先制のゴールネットを揺らした。

　前半16分にもMFレアンドロ・ドミンゲスの右FKからDFパク・ドンヒョクがポスト直撃のヘディングを放つなど決定機をつくる柏。千葉はなかなか攻撃の形をつくれずにいたが、同17分、ワンチャンスを生かした。左サイドからDF和田拓三がアーリークロスをゴール前に送ると、MF谷澤達也が右足ダイレクトで合わせる技ありゴール。失点から8分で試合を振り出しに戻した。

　序盤から激しい試合展開となった千葉ダービー。徐々に流れは追い付いた千葉に傾き、前半23分、和田のアーリークロスのこぼれ球をMF太田圭輔が狙うも、シュートはGK菅野孝憲が好セーブでCKに逃れる。同31分には太田の右クロスに青木孝が頭で合わせたが、ゴール左にそれた。

　苦しい時間帯をしのいだ柏に前半33分、ビッグチャンスが訪れる。先制点の場面と同様、またしても左サイドでフリーの橋本がパスを受け、今度はニアサイドに鋭いクロス。これに北嶋が飛び込み、角度を変えてゴールに流し込んだ。

　橋本の正確な左クロス2本で2-1と勝ち越した柏だが、前半ロスタイムのCKの場面で、その橋本が負傷。ハーフタイムでベンチに下がり、後半開始から代わってDF藏川洋平が左SBに入った。

　予期せぬアクシデントに見舞われた柏だが、前半の流れそのままに後半に入っても試合の主導権を握る。しかし、後半5分、レアンドロのスルーパスに反応した北嶋のシュートはGK岡本昌弘がセーブ。同9分には大谷のラストパスからフリーのレアンドロが狙ったが、わずかにゴール左にそれた。同12分にも茨田がGKと1対1となる絶好機を迎えながら、GK岡本の体を張ったセーブに防がれた。

　守護神の奮闘に応えたい千葉は後半15分、太田に代えてMF伊藤大介を投入。この交代で徐々に流れを引き戻し、相手陣内に攻め込むが、柏の粘り強い守備の前に跳ね返された。

　柏は後半24分、北嶋に代えてFWホジェルをピッチに送り込み、試合を決定付ける3点目を狙いにいった。ところが、同28分に栗澤がこの日2枚目の警告を受け、退場に。数的不利に立たされたことで同32分に林に代えてMF澤昌克を投入。大谷、茨田のダブルボランチ、右にレアンドロ、左に澤が入り、ホジェルの1トップという4-4-1で対応した。

　後半30分に工藤に代えてMF倉田秋を投入した千葉は同36分にもMF山口慶がFW林丈統に交代。攻撃の枚数を増やし、10人の柏を攻め立てた。

　ところが次の1点を決めたのは柏。後半36分、PA内の混戦から澤、ホジェルと細かくつなぎ、最後はホジェルの横パスをレアンドロがゴールに流し込んだ。これで3-1。10人の柏が逆にリードを広げた。

　千葉も直後の後半38分、伊藤のスルーパスに抜け出した青木孝が利き足とは逆の右足でゴール。2-3と再び1点差に迫った。ロスタイムは6分。最後の猛攻を仕掛ける千葉は後半49分、青木孝のクロスがバーに当たった跳ね返りを谷澤が拾ったが、決定的なシュートはゴール左に外してしまう。柏守備陣は最後まで体を張って千葉の攻撃に耐え抜き、そのままタイムアップ。前節の福岡戦(1-2)に続く連敗となった千葉は昇格圏の3位福岡との勝ち点差が4に開いた。

(取材・文　西山紘平)