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千葉は今季初の連敗も、佐藤勇「這い上がれると確信」

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[9.19 J2第26節 千葉2-3柏 フクアリ]

 ホームでの“千葉ダービー”にJ1昇格争いのライバルでもある柏レイソルを迎え撃ったジェフユナイテッド千葉が、常に先手を取られる苦しい試合展開で星を落とし、今季初の連敗を喫した。

 立ち上がりこそ押し込んだものの、前半9分にあえなく先制された。柏の左サイドバック橋本和のクロスにGK岡本昌弘が飛び出したが触ることができず、ファーサイドの林陵平にヘディングシュートをたたき込まれる。

 その後も受け身になることが多く、今季圧倒的な強さを見せつけているホームで主導権を握ることができない。太田圭輔を中心に右サイドで数的優位を作ってチャンスメークする時間帯もあったが、試合の中で相手が修正を効かせ、いい形も続かなかった。

 だが、何が起こるか分からないのがフクアリだ。同17分、柏・小林祐三のクロスをGK岡本がキャッチし、素早く佐藤勇人へ。守攻の切り替えは素晴らしく、左サイドの和田拓三のアーリークロスに谷澤達也が右足を合わせて同点に追いついた。

 この後は怒涛の攻勢。同33分に勝ち越しゴールを奪われてしまったものの、後半に望みをつなぐ流れで折り返す。さらに後半36分には、栗澤僚一の退場で10人になった相手に3-1と突き放されたが、ここからが“フクアリの千葉”の真骨頂だった。

 同38分、青木孝太が右足シュートを決めて3-2と1点差に詰め寄ると、終盤には連続シュートで猛攻を仕掛けた。ロスタイム6分の掲示が出ると、ピッチもベンチもスタンドもさらに一気呵成し、同50分には青木孝のクロスがバーに当たる場面もあった。

 敗れはしたが、最後まで勝利への執念を見せた。「強い相手に対して、自分たちも全力を尽くしてプレーし、最後まで走り続けた。1人少なくなった相手にチャンスを作られてしまったけど、ここでくじけず、サポーターのためにJ1に上げられるよう頑張りたい」と青木孝が前を見つめる。

 佐藤勇は「もちろん悔しいが、福岡戦で感じた悲劇的なものとは違う思いがある。途中から出た選手が見せてくれた勝ちたい気持ちが、ベンチも一体になっていることを感じさせてくれた」と、力を出し切っての敗戦にサバサバした表情すら浮かべた。

 フクアリでの黒星は7月18日の第18節コンサドーレ札幌戦以来、今季わずか2度目だ。3位のアビスパ福岡には勝ち点4差をつけられたが、まだ残り11試合ある。

 「負けたが、ここから這い上がれるチームであると確信できた」。ミラクルを演出するスタジアムに集った今季最多1万8031人の前で、佐藤勇の目は輝きを取り戻していた。

<写真>千葉MF佐藤
(取材・文 矢内由美子)

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