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宇佐美2演出!!G大阪が打ち合い制して大宮を下し4位浮上

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[7.10 J1第3節 大宮2-3G大阪 NACK]

 J1は10日、東日本大震災の影響で延期されていた第3節の3日目を行った。NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャガンバ大阪が激突した。今季8戦目でのホーム初勝利を目指した大宮は、FW石原直樹の2得点で一時は2-1のリードを奪ったが、G大阪の攻撃陣が爆発。持ち味の攻撃サッカーで打ち合いを制し、3-2で勝利した。

 バイエルンへの移籍が決まってているMF宇佐美貴史が2得点を演出するなど奮闘。これでG大阪は最近5試合に4勝1分と負けなし。2試合の消化が少ない中、勝ち点を26に伸ばして4位に浮上した。大宮は今季初の連敗で、これで今季ホーム8戦未勝利となった。

 大宮はキーマンの李天秀がスタメンを外れた。システムは4-4-2でGKは北野貴之、DFラインは右から渡部大輔、坪内秀介、金英權、村上和弘。ダブルボランチは金澤慎と上田康太が組み、右MFに東慶悟、左MFに青木拓矢が入った。2トップは石原直樹とラファエルが組んだ。

 対するG大阪は前節とメンバーは変わらず、システムも4-4-2でGKは藤ヶ谷陽介、DFラインは加地亮、中澤聡太、山口智、下平匠。ダブルボランチは遠藤保仁と武井択也が組み、2列目は右に二川孝広、左に宇佐美貴史が入った。2トップは平井将生とイ・グノが組んだ。

 最初にチャンスを作ったのは、ホームの大宮だった。前半4分、石原が遠藤にプレスをかけてボールを奪い、左サイドからカウンターアタック。ゴール前で中央にいた東につなぎ、U-22日本代表MFは右足でシュート。しかし、これは上に外れてしまった。

 その1分後、G大阪がミスを見逃さずに先制に成功した。金の縦パスのミスを遠藤が拾い、PA右手前の平井にパス。さらに右に開いていた宇佐美貴史へとつなぐ。バイエルンへの移籍が決まり、G大阪ではこの試合を含めてラスト2試合となった若きアタッカーが速いクロス。これにイ・グノが走り込んで右足を合わせ、ゴールネットに突き刺した。

 この先制弾でG大阪が完全に主導権を握った。細かいパス回しで中盤を支配した。前半16分には右サイドの加地がアーリークロス。これに再びイ・グノが飛び込み今度は頭を合わせたが、わずかに右に外れた。

 大宮は奪ってからのカウンターを狙ったが、G大阪はバイタルエリアの守備が堅く、PA内に進入できない。前半20分、ラファエルがロングシュートを放ったが、上に外れた。G大阪は前半24分、再びチャンスを迎える。GK北野のパンチングクリアを遠藤が拾い、PA左の平井にパス。平井は縦に抜け出して右足を振り抜いたが、DFが密集していた影響もあり左に外してしまった。

 G大阪はパスワークと個人技をうまく織り交ぜて攻め込む。前半32分、イ・グノが左サイドをドリブルで仕掛けて深くえぐり速いクロス。GK北野が弾き出し、こぼれ球に二川が詰めたが、決めきれなかった。前半はこのまま終わるかと思われたが、ホームで今季初白星が欲しい大宮が意地を見せた。

 前半45分、ボランチの上田がPA右に縦パス。混戦から最後は2試合連続で先発出場を果たしている石原直樹が受け、中へドリブルをしながらPA外から左足を一閃。強烈な一撃がゴール左上に突き刺さり、1-1の同点に追いついた。背番号「9」の今季初ゴールで、大宮は後半の反攻に望みをつなげた。

 後半開始から、G大阪は平井に代えてMFキム・スンヨンを投入。キムがイ・グノとともに2トップを組んだ。開始2分、G大阪は宇佐美がPA右付近からアーリークロス。イ・グノが頭を合わせたが、ジャストミートできずにGK北野にキャッチされた。

 再び宇佐美が魅せる。後半5分、中央をスルスルとドリブルし、右足でミドルシュート。相手DFかすめてコースが微妙に変わり、ゴール右上に突き刺さるかに見えたが、GK北野がうまく反応してファインセーブした。

 後半は大宮もリズムを持ち直し、ボールを保持する時間も少しずつ増えていた。そんな中、ワンチャンスを物にして逆転に成功した。同14分、右サイドから上田がアーリークロス。これに石原直樹がDFラインの間にうまく入り込み、体勢を崩しながらもヘディングシュート。決してジャストミートしたわけではなかったが、ゴールネットに突き刺し、2-1の逆転に導いた。

 大宮は後半20分、石原に代えてFW李天秀を送り出した。その1分後、G大阪も動く。二川に代えてMF佐々木勇人を投入した。この時間帯、両軍ともに攻守で激しい戦いが展開される。そして後半30分、G大阪が同点に追いついた。

 遠藤から右サイドの加地亮につなぎ、元日本代表SBは中央に絶妙のクロス。これに宇佐美貴史がヘディングシュート。これが大宮選手に当たり、こぼれ球を中澤聡太が頭で押し込んで2-2とした。そして2分後、一気に逆転に成功した。

 後半32分、中央付近から佐々木が、前線に走り抜けようとしていたキム・スンヨンにロングパス。助っ人アタッカーは快足を生かしてゴール前に突き進み、PA内に進入。DFをかわして右足を振り抜きゴール右へ突き刺した。3-2とG大阪が1点リードをつかんだ。

 後半33分、大宮は金澤に代えてMF藤本主税を投入。G大阪は同36分、最後の交代カードを切る。宇佐美に代えてDF高木和道を入れ、3バック気味にして守りを固めた。対する大宮は同40分、村上に代えてDF深谷友基を入れた。金を左SBに回し、得意の左足のクロスボールに期待を寄せた。

 後半41分、G大阪はカウンターから武井が長い距離のドリブルで持ち込み、PA内右でシュートを放ったが、GK北野にセーブされた。ロスタイムは4分。大宮は必死にボールを追ったが、G大阪がうまく試合を運び逃げ切りに成功。3-2でG大阪が2試合ぶりの白星をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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