[8.14 J2第24節 徳島1-1水戸 鳴門大塚]

　前節の北九州戦(0-1)で8試合ぶりの敗戦を喫し、首位から陥落した2位徳島ヴォルティスは水戸ホーリーホックと1-1で引き分け、3位に後退した。2試合連続で勝ち点3を逃す結果に美濃部直彦監督は「勝ち点3を取るのは簡単じゃない。どんな相手にも勝っていくのは難しい」と、あらためてJ2リーグ戦の厳しさを口にした。

　美濃部監督が試合後のインタビューで「立ち上がりやFKなどで隙を与えてしまうと勝ち切れない」と悔やんだように、セットプレーで先制点を与えたことが試合を難しくした。

　水戸は前半19分、FW鈴木隆行がPA手前、右45度の位置でFKを獲得すると、鈴木が自ら左足で狙った。鋭い弾道のシュートがゴール左上隅に突き刺さる先制点。ポートランド・ティンバース(アメリカ)から加入した元日本代表FWが鮮やかなFKで2試合ぶり2得点目を決め、水戸がリードを奪った。

　1点ビハインドを負った徳島も反撃に出る。前半36分には左サイドからのFW柿谷曜一朗のアーリークロスにMF徳重隆明がフリーで抜け出したが、シュートはゴール右へ。同43分、徳重のFKに合わせたDF西嶋弘之のシュートもGKの好セーブに阻まれた。

　徳島は後半9分にMF倉貫一毅、同19分にFWドウグラスを投入し、さらにペースアップ。すると、同30分、西嶋の縦パスをドウグラスがヒールキックで流す。パスを受けた柿谷は左サイドから中に切れ込み、右足を一閃。これがDF、GKの股間を抜いてゴールネットに吸い込まれた。

　5月14日の愛媛戦(1-0)以来、14試合ぶりとなる柿谷の今季3点目で同点に追い付き、一気に逆転を狙うが、後半36分、MF斉藤大介の左クロスに合わせたドウグラスのヘディングシュートはGKがセーブ。こぼれ球に詰めたFW津田知宏のシュートも枠を捉え切れなかった。

　試合はそのまま1-1で終了。最後まで攻め抜いた結果のドローという結果に美濃部監督は「選手は勝ち点3を狙いにいく、最後まで勝ちにいく気持ちで戦ってくれた」とねぎらい、「勝っていくのは難しいが、それでも勝ち切れるチームにしていきたい。リスクを負って、負けてもいいから勝ちにいくチームづくりをしていきたい」と力を込めていた。