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[総理大臣杯]「俺たち7位だぞ!」。目覚めた明治大が泥臭く戦う部分徹底し、連覇へ前進

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後半42分、決勝ゴールを喜ぶ明治大イレブン

[9.6 総理大臣杯準々決勝 常葉大浜松キャンパス 0-1 明治大 J-GREEN堺]

 第41回総理大臣杯全日本大学トーナメント準々決勝が6日に行われ、14年ぶりに8強入りした常葉大浜松キャンパス(東海1)と前回大会優勝の明治大(関東7)が激突。明治大がFW木戸皓貴主将(4年=東福岡高)の決勝ゴールによって1-0で勝った。明治大は6日の準決勝で流通経済大(関東5)と戦う。

 明治は戦わなければならない。戦わなければ勝てない。それに気づいたタレント軍団は強い。昨年の決勝で先発したメンバーを6人残す明治大だが、今年の関東予選は2敗して最後の1枠を懸けた第7代表決定戦を経て何とか総理大臣杯への出場権を獲得。こちらも連覇を目指す関東1部リーグでも前期は4勝3分4敗の7位で終えた。

 けが人が多かったという理由もある。だが、同時に明治大が打ち出している戦う部分がどこか欠けていた。自分たちの戦いを見つめ直した明治大は今大会へ向けて戦うこと、守備の部分を徹底し、現在3試合連続で無失点。栗田大輔監督は「昨年、総理大臣杯とリーグ戦を優勝したことで、(選手たちは)自分たちも優勝できると思ってしまっていた。やるべきことをやらないと優勝できないだろう。それに気づいてくれた」と変化を口にする。

 木戸も「(自分たちも優勝できるという考えが)緩さ、甘さに繋がって連勝できなかったり、勝ち切れなかったりした。(予選もリーグ前期も)7位で終わったので、『俺たち7位だぞ!』という現実を見て、もう一回チャレンジャーというか泥臭くやっていこうというところから合宿から統一できている」と説明する。大学トップレベルの選手層を誇る明治。泥臭く戦うことを徹底した明治大が、健闘した常葉大浜松キャンパスを1-0で振り切った。

 元日本代表MF澤登正朗監督率いる常葉大浜松キャンパスは、大声でチームを鼓舞するMF酢崎祥人(4年=青森山田高)中心に集中した攻守。明治大にボールを握られる時間は長かったものの、しっかりとプレッシャーを掛け続け、ゴール前では対人の強さ光るCB渡邊翔太(4年=磐田U-18)とCB長島來雅(4年=静岡学園高)がその攻撃を跳ね返していた。

 そして攻撃面でもクロス、セットプレーからゴールへ迫る。後半5分にはMF土井智之(2年=神戸弘陵高)の超ロングシュートがクロスバーをかすめ、会場をどよめかせた。また右SB野田椋雅(1年=山梨学院高)のスピードに乗ったオーバーラップ、そして上げられたクロスにFW濱田駿(4年=浦和東高)が飛び込むなど王者撃破の予感も漂わせる戦いも見せていた。

 だが、明治大は崩れなかった。2回戦からGK早川友基(1年=桐蔭学園高)とCB鳥海晃司(4年=千葉U-18)、FW中川諒真(2年=浜松開誠館高)を除いて先発8人を入れ替えた明治大は前半終了間際にMF中村健人(2年=東福岡高)が負傷してMF柴戸海(4年=市立船橋高、浦和内定)が緊急出場するアクシデントがあったほか、相手の堅守をこじ開けられない時間が続いたが、焦れずに幅を使って攻め続ける。

 そして鳥海を中心としたDFラインに支えられた明治大は後半もMF佐藤亮(2年=FC東京U-18)の仕掛けやMF小野雅史(3年=大宮ユース)の左足シュートなどでゴールを脅かすと、後半42分に待望の先制点を奪った。

 右サイドの佐藤が斜めに入れたパスから木戸がボールキープ。そして右サイドへのスプリントでDFを振り切った柴戸へ展開すると、ダイレクトで折り返した柴戸のラストパスを木戸が右足ダイレクトで合わせて決勝点を奪った。

 サブ組の選手たちの輪へ飛び込んだ木戸中心に大興奮の明治大イレブン。選手層の厚さと、受けに回らず戦い続けた前回王者が3年連続となる準決勝へ駒を進めた。

(取材・文 吉田太郎)
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