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神村学園は「攻め倒す!」強力攻撃陣がスピードと質上げて鹿児島準々決勝で7得点!

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前半14分、神村学園高はFW大山尚一が先制ゴール

[5.25 全国高校総体鹿児島県予選準々決勝 神村学園高 7-0 樟南高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場A]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)の出場権を懸けた鹿児島県予選は25日、準々決勝を行った。今年の新人戦九州大会準優勝校の神村学園高はFW大山尚一(3年)とFW高橋大悟主将(3年)、MF中上黎士(3年)がそれぞれ2ゴールを奪うなど、樟南高に7-0で大勝。鹿児島高と対戦する準決勝(26日)進出を決めた。

「『攻め倒す』ということは今年の目標、チームのテーマであるのでそこは変えないでやっています」。J注目FW高橋がそう口にしたように、どんな相手でもブレずに自分たちの攻撃を貫く神村学園が、この日は樟南に大量7発を浴びせて快勝した。

 開始1分に大山の左クロスから右MF則松卓也(2年)がいきなりヘディングシュートを放ち、高橋が独力でDFをこじ開けてシュートへ持ち込むなど序盤から一方的に攻める神村学園は14分、高橋が左サイドのMF山中映人(3年)へサイドチェンジ。最後は左クロスを大山がやや距離の長いヘディングシュートでゴールを破って先制する。

 正確なショートパスとスペースへの配球が噛み合う神村学園は、21分にも左サイドから縦へ仕掛けた高橋のクロスをファーサイドのMF原田啓史(3年)が頭で決めて2-0。さらに28分にミドルレンジでボールを持った高橋が相手守備陣の意表を突く左足ループシュートを沈めると、30分にもゴール前のこぼれ球を交代出場の中上が決めて4-0とした。

 樟南は必死のセービングを見せるGK川西龍輝(2年)が相手FWとの1対1を止めるシーンがあったほか、MF平雄馬(3年)のミドルシュートなどで対抗。後半には平のスルーパスからFW牧昂芽生(2年)が決定機を迎えたり、セットプレーからチャンスを作る場面もあった。

 だが、後半も神村学園のゴールラッシュは止まらず。11分と13分にいずれも高橋のアシストから中上と大山が決めると、22分にもMF田畑拓武(3年)からのパスを右中間で受けた高橋が左足シュートをファーサイドのゴールネットへ沈めて7-0で勝利した。

 神村学園は1ボランチに攻撃的MFの田畑を配置し、2シャドーに全国屈指のフィニッシャーである高橋と原田を起用。右SB愛川陸斗(3年)が運動量多くスペースを埋めるなどDF陣のサポートを受けながら、「攻め倒す」ことを目指した超攻撃的なサッカーを展開している。
 
 3回戦までは引いて守る相手の前にこだわってきたスピードが発揮できず。だが、ビルドアップを再確認して迎えたこの日は相手が前に出てきたこともあって、スペースを狙った配球などスピードもある多彩な攻撃でゴールを量産した。高橋という注目エースの存在に加えて大山や原田ら実力者たちの存在も大きく、攻撃の破壊力は全国でもトップレベルと言えるだろう。

 有村圭一郎監督は「今年はサッカー(の中身)で負けたなという試合はあまりない。子どもたちも自信になっている」と語り、高橋も「去年の今の時期に比べると完成度は高いんじゃないかと思います」と口にする。ここからの戦いでは何か特別な準備をするよりも「質を高めていかないといけないですね」(有村監督)。それが総体や選手権で全国出場、上位進出するためには必要になってくる。

 近年、高い評価を得ながらも夏冬の全国大会予選では鹿児島を突破できず、全国出場は13年度の選手権が最後だ。原田は「今年こそは絶対に全国へ行って、神村のサッカーを見せたいと思っています」ときっぱり。高まってきている質とスピード感をさらに向上させて、今年こそ激戦区・鹿児島でライバルたちを「攻め倒して」全国切符を獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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