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延長戦へもつれ込んだ激闘を青森山田が超劇的に制し、2度目の日本一に!

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青森山田高が2度目の日本一に!

[8.22 インターハイ決勝 米子北高 1-2(延長) 青森山田高 テクノポート福井総合公園スタジアム]
 
 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」男子サッカー競技(福井)は22日、決勝戦を行った。初優勝を目指す米子北高(鳥取)と、ここまでの5試合で大会新記録となる28得点を挙げている青森山田高(青森)が激突した一戦は、米子北が前半にPKで先制するも、青森山田は後半終了間際に意地の同点弾で追い付く。

 2009年度大会以来、12年ぶりの決勝進出を果たした米子北は4-4-2システム。GKは山田陽介(3年)で、最終ラインは右SBに原佳太朗(3年)、CBにキャプテンの鈴木慎之介(3年)と飯島巧貴(3年)が並び、左SBは海老沼慶士(3年)。中盤は山中奨(3年)と佐野航大(3年)がボランチを組み、右サイドハーフに渡部颯斗(3年)、左サイドハーフにチームトップの3得点を挙げている木村愛斗(3年)が。2トップは片山颯人(3年)と福田秀人(2年)が入った。

 一方、2005年度以来となる16年ぶり2度目の優勝を狙う青森山田も4-4-2システム。GKは沼田晃季(3年)。不動の4バックは右から大戸太陽(3年)、丸山大和(3年)、三輪椋平(3年)、ただ1人の2年生レギュラー多久島良紀(2年)。高校年代屈指のドイスボランチは得点ランクトップタイのキャプテン松木玖生(3年)と宇野禅斗(3年)。サイドハーフは右に藤森颯太(3年)、左に田澤夢積(3年)を配し、前線は今大会4得点の名須川真光(3年)と渡邊星来(3年)という、強力2トップが顔を揃える。

 試合は意外な形で動く。前半10分。米子北は左サイドのスローインから、福田がエリア内へ侵入すると、マーカーともつれて転倒。主審はPKを指示する。キッカーの佐野はGKの逆を突いて、冷静に右スミのゴールネットへグサリ。まずは米子北が1点のリードを奪う。

 今大会で初めて先制を許した青森山田は、右の藤森、左の田澤と両サイドハーフにボールを振り分け、縦に勝負を挑ませるいつもの形を試みるが、米子北も原と海老沼の両サイドバックが粘り強く対応し、渡部と木村の両サイドハーフも果敢にプレスバック。相手のストロングを上手く消し続ける。

 29分は青森山田の決定機。松木の左CKに多久島がヘディングで合わせるも、米子北のGK山田がファインセーブで回避。直後に多久島が投げた左ロングスローから、渡邊が放ったシュートはクロスバーに弾かれる。前半は1-0で終了。米子北がアドバンテージを握って、ハーフタイムへ折り返す。

 後半はスタートから青森山田ベンチが動く。大戸に代えて、MF小野暉(3年)を左サイドバックへ送り込み、多久島が右サイドバックにスライド。さらに8分には名須川に代えて、MF小原由敬(3年)を投入。黒田剛監督も攻撃的な姿勢を強める采配を振るう。

 10分は米子北。片山のヘディングから、渡部がエリア内へ侵入するも、多久島が間一髪のタックルで阻止。12分は青森山田。左サイドを抜け出した松木が1対1になったGKを破ってシュートを流し込むも、全速力で戻った海老沼が決死のクリア。お互いにそれぞれのスタイルで相手ゴール前を窺う、一進一退の攻防が続く。

 青森山田は18分にもゴール前で左右に揺さぶり、松木の落としを受けた小原がミドルを狙うも、軌道はわずかにゴール左へ。ボールを動かす時間は長いものの、なかなかゴールを奪えない状況に、常勝軍団も焦りの色が濃くなっていく。

 逆に米子北の集中力は持続。26分には佐野のミドルから、こぼれを拾った片山があわや追加点という惜しい左足シュート。ワンチャンスを狙いながら、時計の針を進めていく。しかし、やはり青森山田は死なず。34分にセットプレーの流れから、丸山がヘディングで執念の同点弾。土壇場でスコアを振り出しに引き戻し、勝敗の行方は延長戦へともつれ込む。

 延長後半6分。米子北は渡部のパスから、佐野が枠内へ強烈なシュートを打ち込むも、沼田が丁寧にキャッチ。8分。青森山田は藤森の右CKから、三輪がフリーで当てたヘディングシュートもクロスバーの上へ。そして10+1分。藤森が左から蹴ったCKを、丸山がヘディングでゴールへ叩き込むと、直後にスタジアムに響き渡ったタイムアップのホイッスル。青森山田が劇的な“サヨナラゴール”で悲願の全国制覇を達成した。

(取材・文 土屋雅史)
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