beacon

[総体]遠野が東北新人決勝の雪辱。青森山田を1-0で下し、19年ぶりの東北制覇

このエントリーをはてなブックマークに追加

遠野高が19年ぶりの東北制覇

 第65回東北高等学校サッカー選手権大会兼河北新報旗争奪サッカー選手権大会決勝が19日、Jヴィレッジスタジアムで開催され、遠野高(岩手1)が19年ぶり5回目の優勝を飾った。

 決勝で青森山田高(青森1)と対戦した遠野は前半8分、DF戸羽輝希(3年)のラストパスが相手オウンゴールを誘発し、先制点を奪う。今大会、青森山田はセカンドチームのメンバー構成。ゲーム主将のMF柿谷敦月(3年)は「今日の試合は今まで無失点で勝ってきていたのがゆえに、みんながパニックというか、いつもとは違う展開になってしまってとても焦ってしまいました」と悔しがる。

 それでも、相手の3倍に当たる9本のシュート、前後半合わせて9本のCKなどで相手にプレッシャーをかけた。だが、0-3で敗れた東北新人大会決勝の雪辱に燃える遠野は集中力の高い守りを見せる。

 攻守で奮闘し、遠野の選手たちが「MVP」と推したMF菊池遥大(3年)は、「東北新人では大会途中での怪我などで自分の力をすべて出すことが出来ず、悔しい思いをしたけれど、今大会では自分の良さを出し、チームに貢献することが出来たので良かったです」。また、ファインセーブを見せたGK浅沼英志(3年)や、ともに青森山田の強さと高さに対抗したDF佐々木湧太(3年)、DF菊池晃太(2年)を中心とした好守で無失点を続ける。

 決定機を作られたものの、最後まで集中力を切らさなかった遠野が1-0で勝利し、喜びを爆発。青森山田の柿谷は「青森山田を代表して試合に出させてもらったのにも関わらず、負けてしまったことは本当に悔しいです。しかし、この経験は自分たちしか経験していないものなので、チームに還元し、インターハイでは絶対に優勝したいです」と力を込めた。

 一方、遠野の佐藤邦祥監督は「DF佐々木(湧太)を中心に良く守れた。DF菊地(晃太)の成長もあり、青森山田との競り合いにも負けなかったのが勝因ではないか。ボールは山田に持たれる時間が多くなってしまっていた。これまで体感したことのない強度で、(自分たちは)判断が伴っていないところもあったので、そこは今後の課題、成長していくべきところだと思っています」と語った。

 強敵・青森山田に勝利しての優勝。だが、選手たちもすぐに切り替えていた。主将のDF畠山哉人(3年)は、「まずは東北新人のリベンジできたこと、東北チャンピオンになれたことはとても嬉しいし、いい経験になりました。準決勝、決勝のようなきつい試合を競り勝てたことは自分たちの自信になったけど、インターハイはもっと暑い中で戦わなければいけないので、優勝するためにもこれからの練習をさらに質の高いものにしたいと思います」と語る。

 また、菊池遥も、「チームとしても、個人としても多くの課題が残ったので、インターハイに向けて、全国でも一戦一戦勝ち上がれるように高め合って練習していきたいです」と宣言。より個人、チームで成長してインターハイに臨み、再び勝ち上がる。

(取材 Incensemoon)
●【特設】高校総体2023

TOP