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公立の高松北が19年ぶりの全国で貴重な経験。フットサル全国大会でも学び、選手権1勝へ

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高松北高のエースFW森口且将主将(3年=香川県立高松北中出身)が相手の守りを剥がして前進

[7.29 インハイ1回戦 高松北高 0-1 富山一高 忠和公園多目的広場A]

 公立の高松北高(香川)が19年ぶりにインターハイ出場。0-1で敗れたものの、伝統校・富山一高(富山)に「最後、苦しかった」と言わしめる戦いを見せた。ボールを大切に扱いながら、ドリブル、コンビネーションでの打開にチャレンジ。最後まで諦めない姿勢も印象的だった。

 エースFW森口且将主将(3年=香川県立高松北中出身)は、「個人的には自分たちのチームは52校の中で一番気持ちは負けていないと思っていた」。森口やMF森本光佑(3年)らが中高一貫指導で磨いてきた戦術、技術力で相手の強度に対抗した。

 森口が「フットサルも通しながら受け方と受けた後の係わり方、2人目3人目はやってきたつもりだった。(フットサルの戦術は)全然活きます。フットサルの大まかな戦術で、ワンツーとパラレラとジャゴナウという3つがある。僕たちは混戦の中で良く使います」と説明するように、チームとして取り組んでいるフットサルで培ってきた力も活用して勝負。だが、エースは「全国ではまだまだ足りない」と首を振る。

 押し込んでゴールへ向かい続けていたものの、富山一の前になかなかPAへ侵入させてもらえず、0-1のまま試合終了。森口は「点獲れないと意味がないというか、惜しいで終わりたくないので、次の選手権へ向けて点を取れるチームになりたい。技術、戦術力とかで劣る部分があったかなと思っているので、次の選手権へ向けてもう一度直して取り組んでいきたい」と誓っていた。

 それでも、チームにとって19年ぶりの全国大会で得た経験は大きい。陶山輝佳監督は「凄く良い経験をさせて頂いた。なかなかこういうところでやれる機会のないチームなので、そういう意味では良く頑張ってくれた」と頷く。選手たちは後半、気持ちの面でも、プレーの面でも向上。全国の強豪校相手に見つかった課題を改善する考えだ。

 指揮官は「彼らにとっては凄く、高松北にとっても久々なので(全国大会に出場した経験は)凄く大きい。この試合での経験というか、そこの部分は大きいと思うし、攻撃の部分というところがあと一歩というか、五歩も十歩もあったと思うけれど、それを支えたDFの跳ね返しだったり、もちろんやられたシーンもあったし、そういったところのDFの安定感というところも入れながら、自分たちの積極的な攻撃ができるチームにさらに成長してチャレンジしていきたい」と語っていた。

 高松北はこの後、8月3日に開幕するJFA 第10回全日本U-18フットサル選手権大会(静岡県浜松市)に出場。今度はフットサルの全国大会に挑戦する。この経験もチームの今後にプラスアルファをもたらしそうだ。

 森口はフットサルの国内トップリーグ、Fリーグ入りも将来の目標。「まずはフットサルも、次の選手権へ向けて取り組んでいきたい。受ける動きと受けた後は見て欲しい。(今日)FWとしてゴールを取れなかったのは反省点だと思う。もうちょっと自分ひとりで打開できる選手になっていきたい」と宣言。2つの全国大会の経験を活かしてチーム・個人で成長を遂げ、選手権の目標である香川県予選優勝、全国1勝を達成する。


(取材・文 吉田太郎)
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