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[コマスポ]大石が好セーブ! 激戦の末PK戦で高知大倒す

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]

 2012年度総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント・2回戦は10日、J-GREEN堺・メインフィールドで駒澤大vs高知大が行われた。辛勝ながらも見事初戦を突破した駒大。メンバーを少し入れ替え臨んだ一戦は、先制点を許す苦しい展開に。それでも同点に追い付きPK戦にもつれ込むと、激闘を勝利で飾りベスト8進出を決めた。

「厳しい戦いだった」―。試合後、MF湯澤洋介(4年=矢板中央高)の第一声にこの日の全てが込められていた。互いに決定機を決め切れないまま90分で決着は着かず。5分間の休憩をはさんで行われた20分間の延長戦でもネットが揺れることはなくPKへと突入した。「延長戦は考えていなかった」(秋田浩一監督)駒大は、大きく疲れをみせるなか9人中8人がしっかりとPKを成功し終止符を打った。

 長丁場となった一戦は、立ち上がりから駒大がペースを握る。ここ数試合では試合の入り方が悪かっただけに好調ぶりを予期させた。ゴール前までは行くもののシュートを打てないでいると、またしても悪い癖が出てしまう。13分に絶好の位置でFKを与えるとこれはGK大石健太(3年=磐田北高)がなんとか触り失点を防ぐ。だがこれを境に流れは一転。プレースピードを上げてきた高知大にDF陣が崩され始めると21分、足元でのパス回しから先制点を許す結果に。これで駒大は、関東リーグ戦から数えると5試合連続で”早い時間での失点”を喫することとなった。

 それでも動じないのが今の強さだ。徹底した早いクロスから得点を狙い続けると同点に追い付いたのは31分。中央を湯澤がドリブルで持ち込み、MF奥村情(4年=名古屋U-18)、MF碓井鉄平(3年=山梨学院大学附属高)へとパスを繋ぐ。最後は「狙い通りだった」と試合後に笑顔をみせたように、ニアに走り込んだFW山本大貴(3年=ルーテル学院高)がポストに直撃しながらも押し込みネットを揺らす。2年前に優勝を経験している4人でもぎ取った1点で試合を振り出しに戻した。

 そのまま前半を終え後半に入ると、互いが縦に早いサッカーで勝負を仕掛ける。先にベンチが動いたのは駒大だった。得点時での負傷を考慮し、49分に山本を下げMF宮城雅史(4年=具志川高)をピッチに。その後も57分にMF小牧成亘(ルーテル学院高)を投入するなど90分での勝利を目指した。激しい攻防戦のなかどちらにも得点機は訪れたが互いにあと一歩が届かず。決め切れないでいると、疲れから駒大はミスが目立つようになり、苦しみながらも同点を維持し延長戦へともつれ込んだ。

 駒大の選手には明らかな疲労の様子が見受けられた最後の20分間。不利な立場に思えたが、ここから普段の走り込みがものをいう。95分に湯澤が絶好の位置でFKを獲得。碓井の放ったこのFKはわずかゴール上を抜けたが、勢いは劣らず。99分にはまたしても湯澤のプレーから小牧が決定機を迎えたが、これも得点には結びつかない。「チャンスもピンチもあった」(碓井)110分で決着がつかず、勝敗の行方はPK戦に委ねられた。

試合後に、「自分が決めたら流れにのりきれるかなと」と口にした碓井が一本目を冷静に沈める。高知大が二本目に失敗したことで、先行の駒大は5人目に決めれば勝利が決まるところでキッカーは主将のDF三澤祥馬主将(4年=三菱養和SCユース)。枠内に飛んでいった球は相手GKの手に当たり、ここでも決着は着かずさらにサドンデスへ。駒大が9人目まで成功させると、ついに歓喜の瞬間を迎えた。「(止めるのが) 遅くなってしまった」と安堵の表情を浮かべながら語った大石が、見事にシュートコースをよみ好セーブ。祈るように見守っていたベンチサイドの選手も飛び出し、大石に駆け寄っていき勝利の喜びを全員で分かちあった。

 延長戦まで戦い抜き体力も限界に近付いているが、中一日をはさみ関東の強豪校である筑波大戦との4強を懸けた戦いが待っている。これに甘んじることなく、さらなる上を目指して欲しいところだ。

[写真]大石(左)に駆け寄る選手たち

(文 駒大スポーツ 佐藤亮)
(写真 同 森下和貴)

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