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[早スポ]引き分けに終わり、逆転優勝が遠のく

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JR東日本カップ2013 第87回関東大学リーグ戦 11月2日 東京・江戸川区陸上競技場

早稲田大1-1明治大

 関東大学リーグ戦もいよいよ大詰めの第19節。前節の早慶戦を制し、首位を走る専大との勝ち点差を7に詰めた2位・早大は6位につける明大との一戦に臨んだ。前半早々に先制点を奪い幸先の良いスタートを決めた早大だったが、前半のうちに同点を許すと、後半は試合の主導権を握られてしまう。試合終了間際にかけて再びリズムを掴むも、得点を挙げるまでには至らず。今節引き分けに終わった専大との勝ち点差を詰められず、逆転優勝が遠のく痛い引き分けを喫してしまった。

 逆転優勝を狙う早大と全日本大学選手権への出場権獲得を目指す明大。互いに負けられない試合となったこの一戦は“早明戦”の名に恥じぬ、白熱の90分間となった。試合が動いたのは10分。PA内でシュート性のパスを受けたMF近藤貴司(3年=三菱養和SCユース)がダイレクトでボールをはたくと、その先に待っていたのはFW榎本大希(4年=横浜FMユース)。落ち着いてゴールに流し込み、早大に先制点をもたらす。リードを奪った以降は、細かくパスを繋ぐ明大の攻撃に対して落ち着いた対応を見せ、試合を進めていった早大。しかし42分、縦に速いパスワークから相手に裏を取られると得点を許し、同点に追いつかれてしまう。その後スコアはそのままに、前半は終了。ピンチらしいピンチは少なかったものの、終盤からは明大がやや押し気味になりつつある試合展開に後半に向けて不安の残る前半となった。

 そして迎えた後半。試合は前半終盤から続く明大ペースのまま動いていく。両SBが高い位置を取る明大の厚みのあるボールポゼッションを前に、受け身となってしまう時間帯が続く早大。「セカンドボールを拾えなかったからこそずっと押し込まれる時間が長くなってしまった」(MF中田航平主将、4年=横浜FMユース)、「ボールを奪った後もプレッシャーが速く自分たちの技術不足でああいう長いボールを蹴らざるを得ませんでした」(MF池西希、4年=浦和ユース)との言葉通り、守備から攻撃へのパスの繋ぎや切り替えが上手くいかない場面が印象的であった。だが、終盤に入り中盤でのスペースが目立つようになると、早大もサイドを起点に攻め込み始め、迎えた84分。右サイドからのマイナスの折り返しに中田が走り込み、シュートを放つ。勝ち越しゴールかと思われたが、相手GKのブロックに遭い、勝ち越しならず。後半はスコアが動くことなく、1-1と両者痛み分けで試合終了となった。

 きょうの試合を終え、逆転優勝をするためには残り3試合で勝ち点差7をひっくり返さなければならなくなった早大。残る3試合は中大、桐蔭大、そして専大といずれも難敵であり、優勝への道のりは一層、厳しさを増したと言わざるを得ないだろう。しかし、諦めている選手は1として居ないはずだ。「可能性が1%でもあれば自分たちはそこに向かって全力を尽くしてやるだけ」(GK阿部雄太、4年=渋谷幕張高)。優勝に向けて、まずは絶対条件である3連勝を飾りたいところだ。

[写真]先制点を奪った榎本。この日のゴールでリーグ戦10得点となった

(取材・文 早稲田スポーツ新聞会 八木和基、写真 辛島寛文)

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