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[MOM948]大阪学院大FW閑田隼人(4年)_藤枝サポが掲げた横断幕の前で決めた今季初ゴール

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FW閑田隼人(4年=広島皆実高/藤枝内定)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.4 第102回 関西学生L1部第4節 大阪学院大3-0京都橘大 アクアパルコ洛西]

 大阪学院大の勝利には、やはりこの男の活躍が欠かせない。背番号10・FW閑田隼人(4年=広島皆実高/藤枝内定)が3点全てに関与し、チームを勝利に導く大きな役割を果たした。

 まずは前半7分、相手のビルドアップのパスをカットしたMF山本未来翔(3年=大阪学院高)からのボールを、閑田がマークを引き付けてMF青木玲(3年=大阪学院高)へ好アシストし、先制点をもたらす。2点目は同33分、中盤でボールを奪ったMF箱崎達也(4年=四国学院大香川西高)からのパスを素速く鋭いリターンで出すと、ゴール前へと走り込んだ箱崎が叩き込んで生まれた。

 そして誰もが待っていたエースの今季初ゴールは前半40分、右サイドをドリブルで駆け上がったMF杉山誠夢(1年=東福岡高)のクロスを、技ありヒールで合わせて決めた。

 チームは好スタートを切ったが、閑田はストライカーとして得点という結果をここまで出せていなかった。「焦らずと意識してて、結果が出てないときもチームのためにがんばろうと思っていた」と待望のゴールに安堵の笑顔を見せた。

 点が取れていないことでネガティブ思考に陥っていた閑田にとって、実績豊かな大院大指導陣からの助言は大きかったという。「去年より周りが見えてきてるから、その分パスを出してしまうこともある。これまでは見えてないから強引なプレーになっていた。だから、俺は今の状況をポジティブに捉えているよ」という實好礼忠監督の信頼がこもった言葉が迷いを吹っ切るきっかけとなった。

 常に一緒に練習を重ね、慕う大槻周平コーチからも「得点できないときにどれだけ自分のプレーをできるかが、FWとしてすごく大事。いつか必ず流れが来る。取れないからって悪いわけじゃない」と経験に基づく話を伝えられ、「やるべきことはやっているので、あとはどうにかなる」と気持ちを切り替えて自らのタスクを全うし、結果へとつなげることだけを考えてきた。

 4月29日には藤枝MYFCへの入団内定も発表された。他のJチームへも練習参加をしたが、「藤枝のサッカーがとても面白くて、魅力的に感じた。自分が成長するためのいい選択と思う」と昨年のインカレ後にいち早く声をかけてくれた藤枝への入団を決めた。

 この日は、藤枝のサポーターが遠路を駆けつけ、閑田へ向けた横断幕を掲出してくれたことも奮起の材料となったという。「すごくうれしかったし、応援してくれる気持ちに応えたい。チームの力になって、藤枝をJ1に上げて自分もステップアップできるよう成長していきたい」と力をこめる。

 Jの基準を知る實好監督は「身体の使い方もまだまだだし、シュートのクオリティも、そこまで持って行く作業もまだ遅い」と課題を挙げるが、「努力家なんで心配していない。羽ばたいてほしい」とエールを送る。足りない部分を閑田本人もしっかり理解しており、ここから貪欲に成長を積み重ねていく覚悟は十分だ。大院大を2007年以来の優勝へと導くためにも、ここからゴールを積み上げていきたい。

(取材・文 蟹江恭代)

●第102回関西学生リーグ特集
蟹江恭代
Text by 蟹江恭代

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