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コンフェデ杯決勝の担当主審が思い描く「夢」とは?

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 国際サッカー連盟(FIFA)は29日、コンフェデレーションズ杯の決勝を担当する審判団を発表し、オランダ人のビョルン・カイパース主審が、30日にリオデジャネイロのマラカナンスタジアムで行われるブラジル対スペイン戦の笛を吹くことが決まった。

 同主審は今季、オランダ杯決勝を担当したほか、ヨーロッパリーグ(EL)決勝のベンフィカ対チェルシー戦でも笛を吹いた。今大会は、グループリーグB組の第2戦でナイジェリア対ウルグアイの試合を担当している。

 カイパース主審はFIFA.comのインタビューに応じ、マラカナンでの決勝を担当することについて「幸せで、誇りに思う」と答え、「準備はしっかりできている」と抱負を語っている。

―ここまで大会を楽しんでいる?
「とても楽しんでいるよ。コンフェデレーションズ杯を担当する審判団の一人に選ばれたときは、とても興奮したんだ。ブラジルに来てからも、ファンタスティックだね。いくつかの素晴らしい試合もあった」

―ブラジルという国についてはどう?
「素晴らしい国だよ。とても広大で、とても興味深い。でも、僕らはあまりブラジルという国を見れてないんだ。観光客として来たわけではないからね。トレーニングの時間も長いし、午後は試合の分析にあてているんだ」

―決勝を担当する主審に選ばれた。どんな心境?
「とても幸せなことだし、誇りに思うよ。僕自身に対してだけでなく、2人の副審、そして第4の審判員に対しても同じように誇りに思っている。ここにたどり着くために、この数年、一緒に仕事をしてきたすべての人々に感謝したい。このレベルに到達するためには大変な努力が必要だし、僕らはそれを成し遂げたんだ」

―どんな試合になることを期待している?
「素晴らしい試合、歴史に残る試合になってほしいね。全世界がこの試合を待ちわびていたんだ。ブラジルとスペインという世界で最も偉大な国同士が対戦する試合だ。素晴らしい試合になることを期待しているし、フェアで、お互いがリスペクトし合う試合になってほしいと思っている」

―マラカナンについては?
「とても巨大で、ファンタスティックで、モダンで、フットボールそのものだよ。スペインとブラジルがそこで対戦する。僕らはその一部になるんだ。これ以上、何を望むことがある? これは夢だよ。スタジアムは満員に膨れ上がり、ファンタスティックな空間になるだろうね」

―このような大きな試合に向け、どんな準備をする?
「もちろん、大きな試合だ。決勝に勝ち進んだ両チームとも、偉大な国だよ。でも、僕らはすべての試合に向けて同じように準備をする。試合を分析し、キープレイヤーを分析し、どんなプレースタイルなのかを分析する。だれがロングパスを蹴るのか、だれがCKを蹴るのか。すべての選手を一人ひとり分析し、すべての試合を分析する。僕らはいい準備ができているよ」

―世間はどうしても主審に注目するが、チームとしての審判団をどう考えている?
「レフェリーをするうえで、チームワークこそが最も重要なんだ。もちろん、すべては僕に責任があり、僕が主審だ。でも、もし副審がいなかったら、僕は何もできないんだよ。一つもミスなく90分間を終えられたら、だれもレフェリーについて話さないよね。でも、それを成し遂げるためには、しっかりと準備しないといけない。幸い、僕のチームは長い間、一緒に仕事をしてきた。だからお互いのことをよく分かっているし、それがとても大事なことなんだ」

―今大会ではゴールラインテクノロジーも導入されているが、どんな影響があった?
「これまでのところ、僕らはゴールラインテクノロジーを使う場面がなかった。でも、詳細な説明は聞いているよ。僕らは腕時計を付けていて、ボールがラインを越えたら、時計が振動し、音を鳴らすんだ。決定的な場面で僕らを助けてくれるだろうね」

―あなたの父もレフェリーだった。この仕事はあなたの血に流れている?
「そうだね。そう思うよ。僕らは一人の人間でありながら、試合をコントロールし、選手をうまくコントロールしないといけない。そのためにはフットボールのバックグラウンドを持っていないといけないんだ。僕は昔、選手だった。そのうえで試合をコントロールするスキルを身に付ける必要があった」

―こうした大きな試合で選手はゴールを決める、あるいはアシストすることを夢見る。あなたにとっての夢は?
「僕の夢は、とてもシンプルだよ。決勝が終わったあと、だれも審判について話をしないことだよ!」


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