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オーストラリアでファン150人乱入の大惨事…選手ら暴行被害に連盟「極めて遺憾」クラブへ厳罰処分を示唆

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乱入するファンと被害を受けたGKトム・グローバー

 17日に開催されたオーストラリア・Aリーグ第8節のメルボルンダービーは、同国史に残る最悪の試合となった。

 前半20分過ぎ、メルボルン・ビクトリーのファンがピッチ内に発煙筒を投げ込む。これをメルボルン・シティGKトム・グローバーが投げ返すと、大量のメルボルン・Vファンが乱入する騒ぎに。そのなかでグローバーが金属製のバケツを頭部に受けるなど複数の負傷者が発生し、試合は中止となった。

 事の発端は大会方式の変更にあるとされている。同リーグはレギュラーシーズン終了後に上位6クラブでプレーオフを行い、優勝クラブを決定する。優勝決定戦は上位クラブのホームスタジアムで開催されてきたが、12日に3年間シドニー開催で固定することを発表。競技性を損ないながらも開催地の売却で利益を得る運営に対し、多くのファンやクラブ関係者から批判の声が出た。また他会場では一斉にスタンドからファンが退場するなど、各スタジアムで抗議活動が広がっていた。

 発煙筒が投げ込まれたのも抗議活動の一環とされている。それでもGKの対応にファンが逆上して暴力行為を働くことは想定外。許容範囲を超えた悪行として大きな話題となった。

 オーストラリアサッカー連盟(FA)は19日、メルボルン・Vが勝ち点剥奪や無観客試合などの厳罰処分回避を求める場合、意見書を21日までに提出するように通達したと発表。その上で「複数名が行った不正行為はサッカー、メルボルン・V、Aリーグファンの評判を落とす極めて遺憾なものである」とFA役員のコメントを伝えている。

 乱入したファンはおよそ150人とされており、『ABCニュース』は3人が暴行罪などの可能性でビクトリア警察に拘束されたと報じている。同警察は他にも複数名の顔写真を公開し、捜査を続けている。

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