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[戦評]イタリア快勝も攻撃陣に課題は山積

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[6.15 コンフェデ杯B組GL第1戦 アメリカ1-3イタリア プレトリア]

田村修一の「視点」

 09年コンフェデレージョンズ杯2日目のアメリカ-イタリア戦は、3-1でイタリアの逆転勝利に終わった。

 前半は拮抗した試合。アメリカは序盤にMFリカルド・クラークが退場になり、ひとり少なくなったが、上手く守って少ない人数で攻め、イタリアを苦しめた。イタリアとしては前半の布陣がまずかった。アンドレア・ピルロをトップ下に据えた4-2-3-1の布陣だったがこれが機能せず、コレクティブに動けるアメリカに幾度とカウンターを受け、PKから失点を喫してしまった。
 しかし、イタリアは後半に入るとピルロをボランチに下げた4-3-3に移行。前線3人、中盤3人の距離がそれぞれ縮まり、スムーズにボールが回せるようになった。さらにミドルを多用しだすと、完全にイタリア・ペース。交代出場のFWジュゼッペ・ロッシが2得点、MFダニエレ・デ・ロッシが得点を決め、逆転勝利に成功。アメリカとしては終盤になって、ひとり少ないのが響いた結果となった。

 敗れたアメリカだが、MFランドン・ドノバンのプレーが光った。得意のドリブルに加え、ゲームメイクにも磨きがかかり、アメリカの中心的選手といえるだろう。

 一方、緒戦を勝利で飾ったイタリアだが、今大会の優勝となると疑問符が付く。マルチェロ・リッピ監督のイタリアは守備は堅いが、攻撃となると物足りなさを感じる。今日、先発したFWアルベルト・ジラルディーノは存在感を発揮できず、そのジラルディーノに代わって入ったFWルカ・トニも決定力に欠ける。今日の試合で途中出場ながら2得点を決めたロッシは確かにいい選手だが、独力での打開となると多くは望めないだろう。攻撃陣にスペシャルなタレントがいなければ、今大会の制覇は難しいのではないだろうか。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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