beacon

12/16対外試合へ、「NIKE FC選抜チーム」がトレーニング&セレクションを開催

このエントリーをはてなブックマークに追加

 ユース世代のフットボールプレーヤーをサポートするナイキジャパンが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」の選抜チームは25日、さいたま市のレッズランドでトレーニングおよびセレクションを行った。セレクションには中高生29人がチャレンジし、フィジカルテストやミニゲームなどを経て17人が突破。NIKE FC選抜チームの現メンバー9人と合わせた計26選手は、12月16日に行われる対外試合に出場する(メンバー一覧はこちら)。

 NIKE FC選抜チームのメンバー、およびセレクション参加者は入念なウォーミングアップを終えると、英国3つのプロチームでトップコーチを務めた経歴を持つリー・マンソンヘッドコーチら、海外での指導経験豊富なコーチ陣の前に集まり、熱い言葉を送られた。

 英国スコットランド出身の同ヘッドコーチは、今月7日にグラスゴーで行われた欧州チャンピオンズリーグのセルティック対バルセロナの試合を現地で観戦。バルセロナを下す大金星を挙げたセルティックの決勝点を決めたのが18歳のFWトニー・ワットだったことを挙げ、「みんなに年齢も近いし、みんなにもチャンスがあるということ。この機会を次のレベルでプレーするための第一歩にしてほしい」とゲキを飛ばした。

 また、元U-18メキシコ代表のジョージ栗山GKコーチは「今日やることは一つひとつ、すべてのものが大事。トレーニングの中で最後の一歩が出るか出ないか、最後のひと踏ん張りをするかしないかで結果は変わる」と力説。セレクション参加者に対し、すべてのメニューに100%で取り組むことを求めた。

 まずは参加者全38選手でランニングを行い、その後はNIKE FC選抜チームのメンバーとセレクション参加者の2グループに分かれた。NIKE FCのメンバーはボールを使ったサーキットトレーニングでフィジカル、メンタルの両面を強化。負荷の大きいメニューに選手たちは歯を食いしばりながら必死に汗を流した。

 一方のセレクション組は、短距離のダッシュやターンを織り交ぜたアジリティー(敏捷性)を見るタイムトライアル。さらには腹筋、腕立て伏せを各1分間行い、その回数を測定するなど、スピードや持久力、フィジカル面のチェックを受けた。

 そして、ここからはNIKE FCのメンバーとセレクション組が合同で本格的なトレーニングに入る。5対5+フリーマン2人のボール回しでは、リー・マンソンヘッドコーチから厳しい注文が飛んだ。

「全員がボールに寄るな。ピッチに広がろう」
「ドリブルが多い。3タッチ、4タッチではなく、ボールを受ける前に次の選択肢を持っておくことでタッチ数を減らしていこう」
「サイドに張る選手はラインぎりぎりまで張ろう。ラインより内側にいたら、その分だけ中のスペースが狭くなる」
「ディフェンス側のコミュニケーションがない。もっと声を出していこう」

 いったんトレーニングが中断し、コーチングスタッフから指示を受けるたびに真剣に耳を傾ける選手たちは次に同じメニューを再開するときには、しっかりとその指示を実践。一つひとつ吸収し、自分たちのプレーに還元していった。

「パスのもらい方やポジショニングなど、細かいところまで教えてもらってタメになった」と話すのはセレクションに参加したFW舞田大輝(大泉高1年)だ。最後に行われたハーフコートでのゲーム練習では積極的にシュートを狙い、ゴールにアシストと猛アピール。この日初めて顔を合わせた選手も多い中、「自分と同じチームだった選手と意思疎通をうまく取ることができて、パスがつながった」と、急造チームとは思えない息の合ったプレーも随所に見せた。

 DF岩井匠(熊谷高1年)は積極的に声を出し、プレッシングやカバーリングを指示するなど存在感を見せた。「CBは周りが見えるので、普段から指示を出すようにしている」と、日頃、チームで心がけていることをセレクションの場でも実践。「学校とは違ったトレーニングができて、いい経験になった。チームではポゼッションをあまりしないけど、今日はポゼッションの練習も多かったので勉強になった」と充実した表情を見せていた。

 そのほかにもMF石田秀(神奈川大附高2年)が果敢にミドルシュートを狙えば、MF根市凌(横浜市立東高2年)は左サイドから何度もドリブルで仕掛け、ゴールライン際までえぐってシュートを打つシーンも。FW渕野大介(神奈川大附高1年)は鮮やかなドリブルでDFをかわしてゴールを決めるなど、セレクション参加者はそれぞれが全力でプレーし、コーチ陣にアピールした。

 約3時間のトレーニングを終え、クールダウンを済ませた選手たちは静かに結果を待った。NIKE FCのメンバーに加え、今回新たに選抜チームの一員となることが決まったのは17人。残念ながら12人が不合格となったが、リー・マンソンヘッドコーチは「今回名前を呼ばれなかった人も、もうトライできないのかというと、そんなことはない。入れるか、入れないか、際どい選手もいた。今回ダメだった選手も是非また受けてほしい」と呼びかけ、再チャレンジを求めていた。

 セレクション合格者17人を加えたNIKE FC選抜メンバー26人は12月16日に対外試合を行う。見事にセレクションを通過した舞田が「どんなポジションで出ても、いいプレーをして、点に絡むプレーをしたい」と意気込めば、同じく岩井も「勝つことが第一。自分のレベルアップのためにもがんばりたい」と誓った。リー・マンソンヘッドコーチは最後に26選手を集め、「このユニフォームを着ている以上、NIKEを代表している。NIKEの名に恥じないよう、しっかり準備してきてほしい。ここで終わりにせず、がんばってほしい」と力説。セレクション合格はゴールではなく、あくまで出発点。さらなるレベルアップとステップアップのため、選手たちはより一層の努力を胸に秘め、グラウンドをあとにした。

▼NIKE FCメンバー
MF鈴木圭人(正則学園高2年)
MF高橋郁海(拝島高2年)
GK広保友樹(海城高1年)
MF橋本賢人(並木高2年)
FW犬飼元氣(東京23FCセカンド)
MF高田啓伍(神奈川大附高2年)
DF/MF石田優輝(大東文化大一高2年)
MF菊池大輔(矢板東高2年)
DF塚田潤也(第一学院高3年)

▼セレクション合格者
FW舞田大輝(大泉高1年)
FW山口和樹(日本ウエルネス高2年)
MF石積玲央(橘高2年)
MF石田秀(神奈川大附高2年)
FW末永毅(神奈川大附高2年)
FW渕野大介(神奈川大附高1年)
GK/DF片山淳介(神奈川大附中3年)
FW和田健二(大森学園高2年)
MF根市凌(横浜市立東高2年)
MF戸田充軌(光丘中2年)
DF北村大輔(藤沢西高2年)
GK松本優太(船橋北高3年)
DF小宮淳嗣(熊谷高1年)
DF岩井匠(熊谷高1年)
MF細谷慶太郎(熊谷高1年)
DF蜷川翼(立川国際中等教育学校2年)
MF/FW検本裕也(立川国際中等教育学校2年)

[写真]NIKE FC選抜チームのセレクションに参加した選手たちがミニゲームでアピールする

(取材・文 西山紘平)

TOP