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初のプリンスリーグ参入目指す、横河武蔵野ユースが東京制覇

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 街クラブの雄が悲願のプリンス昇格に向けて最初の関門を突破した。高円宮杯U-18サッカーリーグ2013東京(通称「東京Tリーグ」)は2日に1部第17節第2日を行い、横河武蔵野FCユースが3-0で東京朝鮮高を下して優勝を決めた。増本浩平監督は「春先から手ごたえはあったが、第1節と第2節を勝ち切れずに引き分けたことでしっかりと勉強させてもらった。今日は前半は動きが硬かったけど、後半は奮起した姿を見せてくれたので、嬉しい優勝になった。不安もあったけど、自力で決められる機会を物にできたことは成長につながると思う」と安堵の表情を見せた。

 試合は、攻めあぐねた前半の終了間際に相手のバックパスを奪ったFW佐野樹生が先制点をマーク。後半は一進一退の攻防の中で得意のパスワークを随所に披露した。後半17分にMF長岡克憲の突破から主将を務めるMF吉山遼馬が追加点を奪うと、35分には2年生サイドアタッカーの渡辺悠雅が前に出たGKの頭上を抜くシュートを決めて勝敗を決定付けた。
 
 年間リーグの優勝は価値があるが、渡辺は「満足はしていない。ここからが勝負。(優勝で出場権を得た)プリンスリーグ参入戦に勝って『新しい横河』を見せていきたい」とさらに勝ち進む意欲を示した。横河武蔵野ユースにとってプリンス参入は悲願だ。今季のチームは春の新人戦で三菱養和SCユースやFC東京U-18を撃破。夏の日本クラブユース選手権関東予選でも、全国優勝を果たした横浜F・マリノスユースをあと一歩のところまで追いつめた。しかし、高校でもJクラブでもない街クラブは、高い実力を持っていても多くの人に知らしめる機会が少ない。状況を改善するためには、全国大会やプリンスリーグに出場する必要がある。

 横河武蔵野ユースは今後、Jユースカップの出場権をかけた日本クラブユースサッカー連盟代表決定戦に出場。夏の日本クラブユース選手権で逃した全国大会出場を狙う。さらに12月中旬には、関東1都7県の代表による来季のプリンスリーグ関東参入戦に臨む。佐野は「横河にとって、初のプリンスリーグ出場を決めるチャンス。やるからにはしっかりと昇格できるように頑張りたい」と参入戦に向けた抱負を語った。

 今後のJユースカップ全国大会出場やプリンスリーグ昇格がかなえば、自分たちの経験というだけでなく、クラブにとって大きな財産となる。吉山主将は「Jユース杯に出てJクラブを倒すのが目標。新人戦の決勝で東京Vユースと戦った感触を考えれば、今日の内容ではいけないのでもっとレベルアップしたい。参入戦を勝って後輩にはもっと多くの人に見てもらえる環境を作りたい」と横河武蔵野ユースを全国区にのし上げる意気込みを語った。東京制覇は実力証明の第一歩に過ぎない。

(取材・文 平野貴也)

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