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世界と接した夏から変わった意識!「関東NIKE FC」メンバーに32名合格!

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 ナイキジャパンが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」は6日、埼玉県のレッズランドで「10月関東NIKE FC」メンバーのセレクションを開催した。中学1年生から高校3年生までの55名がセレクションに臨み、32名が今月14日のトレーニングと27日のトレーニング&試合に参加する10月関東NIKE FCメンバーに合格した。(合格者一覧はこちら)。

 「NIKE FC」のプレーヤーたちは7月のセレクションの際に日本代表DF長友佑都(インテル)の前でプレーし、質疑応答で世界で活躍する憧れのプレーヤーから「高校時代はとにかく自分自身を追い込んでいた。朝練も自分でやったり、終わってからの練習も誰より遅くまでやっていたというのは自分の中である。『人よりもやる』という気持ちでやっていましたね」「この姿勢を継続してほしい。やる気あるプレーを継続してほしいと思います。(満足することなく)これ以上にやってほしいし、継続することが大事」と直接、貴重なアドバイスを得た。そしてセレクションの勝者たちはジャパン・ツアーを行ったアーセナル(イングランド)の名将・アーセン・ベンゲル監督から「サッカーで一番大事なことはハッピーになること」「テクニックは非常に大事」と直接指導を受け、同クラブのイングランド代表MFジャック・ウィルシャー、イングランド代表MFアレックス・オクスレード・チェンバレン、そしてFW宮市亮とともにトレーニング。6対6でパス交換するなど世界トップクラスのプレーを体感している。

 「NIKE FC」に参加したことで感じ得ることのできた「世界」。将来の目標としてプロ、世界での活躍を掲げ、部活動や所属クラブ以外の指導を受けるこの機会で少しでもレベルアップしようとしているプレーヤーたちは、世界と接して感じた課題を少しでも向上させるために夏を過ごし、今回「NIKE FC」に再挑戦してきた。また、「こういう機会があったら自分のためになるかなと思って参加しました。レベルも高いので、自分のチームに帰った時に活かしたいですし、成長できると思う。同じチームの人はひとりもいなかったんですけど、迷わず来ました」と語ったMF釜石怜(柏中央高)ら意欲ある新たな挑戦者たちがセレクションのレベルを引き上げる。

 セレクションは1次、2次のステージで実施。まず1次ステージでは連続のダイレクトパスや4対1、ダイレクトの落としとクロスからのシュートなどで基礎技術をテストされた。ここでFW犬飼元気(irrumattio)が「これまでは強く打つだけだったんですけど、強く打つだけでなくて、コースに打つ練習を結構してきた。練習の成果が出てきたのかなと思います」と的確にコースへシュートを打ち分ければ、MF中河原慎太郎(神奈川大付高)が鮮やかな左足ループシュートを決めるなどそれぞれがアピールしていく。

 そして1次ステージを通過した40名で行われた2次ステージではタッチライン、ゴールラインに計6名のフリーマンを置いての7対7、そして10対10とゲームの中でのスキルと判断力を競いあった。7対7では「周りは今回初めて会う人ばかり。ドリブルで仕掛ける選手が多くて、パスを使う機会もなくてやりづらかった。自分の持ち味はパス、あと声。相手を見ることと相手についている敵を見ながらパスをすることと声を出すことを意識していました」というMF猪俣凌(豊島学院高)がテンポの良いパスで攻撃を活性化。また釜石やDF北村大輔(藤沢西高)はフリーマンの特性を活かしたパスや正確なクロスで存在感を発揮していた。

 ボールをつなぐためだけのプレーや無謀な仕掛けが増え、コーチ陣から「全然、ゴールを決める気持ちを感じられない」と指摘されるシーンもあった。それでも最年少の中学1年生MF徳正弥(Shoot FC)が技術で大柄な高校生たちに対抗し、鋭い動きを見せたDF竹内豊(東大和高)やFW貫井将孝(所沢高)、MF清水駿之輔(東京成徳高)が攻撃力でアピールする。そして7月に世界を体感をしているMF南雲丈一郎(東大和高)は「セレクションの前にコーチから言われたのはハイプレッシャー、技術、ゲーム中に考える事、勝負、そして楽しむこと。これを意識していた。自分は教えられるくらい(指示されたことを)吸収して、伝えていきたいと思っている。(各メニューで)まず自分が理解して、できるようになったら人にも教えられるようになる」と初挑戦のプレーヤーたちにアドバイスも送りながらのプレー。自身も鮮やかなコントロールショットを叩きこむなど印象的なパス、シュートを連発していた。

 合格者発表で「NIKE FC」のリー・マンソンヘッドコーチは「(今回は合格したプレーヤーも落選したプレーヤーとの)入れ替わりはあると思う。今、名前を呼ばれたみんなはこの(嬉しい)気持ちを忘れないこと。どんな試合でもそうだけど、呼ばれた時の気持ちを忘れずにやってほしい」と期待する。7月に世界的な選手たちから感じた差は彼らの向上心と努力を生んだ。犬飼は「(長友やアーセナルの選手たちは)身体見ても全然違うし、シュートの威力もスピードが全然違う。自分はパスの正確性も足りない。レベルアップしなければいけないと(アーセナルの)トレーニングを見て感じました。(彼らは)技術が大事と言っていたので、自分的にも技術をしっかりと練習してきた。その方向性は間違っていないのかなと。技術はもっと磨いていきたい」と誓っていた。この後、「NIKE FC」は14日のトレーニングを経て、27日には対外試合が行われる予定となっている。この日、コーチ陣に「凄く難しい選考でした。みんなが一生懸命やってくれたから難しかった。サッカーのレベルの方も少しずつ良くなっていると思う」と評価された「NIKE FC」。世界を知り、日々から変えてきたプレーヤーたちと「NIKE FC」での成長を目指して新たに加わったプレーヤーたちが競り合いながら個々のレベルを引き上げる。

▼セレクション合格者

GK広保友樹(海城高2年)
GK片山淳介(神奈川大附高1年)
FW時岡寛拓(臼井南中2年)
MF田中祐希(足立新田高3年)
DF/MF南雲丈一郎(東大和高2年)
MF菊地大輔(矢板東高3年)
DF北村大輔(藤沢西高3年)
MF染谷由来(大森FC、2年)
FW犬飼元気(irrumattio、3年)
DF海老沢颯太(栄北高2年)
DF竹内豊(東大和高2年)
FW志村陽平(東大和高2年)
DF堀口翔(東大和高2年)
GK鈴木諒(日本第一大付高3年)
FW鈴木暢(富士市立高2年)
MF栗原航(伊奈学園総合高2年)
MF徳正弥(Shoot FC、中学1年)
FW佐方優斗(田口フットボールアカデミー、中学3年)
MF堀口創平(桐蔭学園高1年)
MF釜石怜(柏中央高2年)
MF中河原慎太郎(神奈川大附高1年)
MF高橋優斗(神奈川大附高1年)
MF達康大(神奈川大附中3年)
DF/MF猪俣凌(豊島学院高2年)
FW/MF阿部優貴(豊島学院高2年)
MF/FW成重岳洋(石神井高2年)
FW和田純也(石神井高2年)
DF大杉慶介(所沢高1年)
FW貫井将孝(所沢高1年)
MF清水駿之輔(東京成徳高2年)
DF花北秀人(東京成徳高2年)
MF古川慎也(東京成徳高1年)

(取材・文 吉田太郎)

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