beacon

[プレミアリーグ参入戦]観衆沸かせた静岡学園に欠けた勝ち切る強さ、加納主将「次のステージでは結果を」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.13 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 静岡学園高 2-3 大津高 広島一球]
 
 静岡学園高の川口修監督は延長戦で敗れた大津高戦後、選手たちに「良かった、と。こんだけ高校サッカーで沸かせるゲーム出来ないでしょう。オマエら、それだけ良いゲームやったんだよ」という言葉をかけて讃えたという。

 アイディアあるドリブルとショートパス。PA付近からの仕掛けで大津DFラインを攻略したのに加え、狭い局面をパス交換や個人技で切り抜けて何度も会場を沸かせた。FW加納澪のヘディングシュートがクロスバーを叩き、相手GK前田勇矢の好守に阻まれたシーンもある。だが選手権優勝候補の一角である大津相手に魅せた戦いに川口監督は「全然満足している。やることやったし、スタンドも沸かせたしね。勝てれば最高だったけれど」と語り、鮮やかなドリブルシュートでゴールを決めた10番MF旗手怜央も「(強豪相手でも観衆を沸かせること)それをできるのは全国で静学だけだと思っているので、そういうところは良かった」と胸を張った。

 今年はプリンスリーグ東海を14勝2分2敗、73得点9失点という素晴らしい成績で制した。だが総体予選、選手権予選ではいずれも0-1で敗れ、今回も1点差に泣いた。GK山ノ井拓己がPKをストップするなど食らいついたが、勝負どころで上回り、勝ち切った大津との間にあった差。旗手は「やっぱ強いっす。球際一つとってもそうですし、CKから決めてくる粘り強さだったりが違った」と語り、「結果で勝たないと評価されない年代なので、悔しい結果でしたね」と勝負強さを出せずに敗れた試合に唇を噛んだ。

 主将の加納は「静学らしいサッカーができたのは良かったですけれど、結果のところを突き詰めるとまだまだかなと思います。次のステージでは結果を求めてやっていきたいと思います」。この日の敗戦からまた成長することを誓った。3年生の主力選手は関東や関西などの大学へ進学。今年、静岡学園OBでは専修大GK福島春樹が浦和、順天堂大MF長谷川竜也が川崎F、福岡大MF木本恭生がC大阪入りを決めている。彼らに続くことができるか。国士舘大へ進学する加納らは大学サッカーのステージで結果を突き詰めて、その先にある夢をかなえる。 

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2015プレミアリーグ

TOP