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[関東大会予選]ピッチ外含めた細部で「自分たちは差をつけないと」。八千代が紙一重の勝負制して関東大会へ:千葉

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八千代高が接戦を制して関東大会出場権を獲得

[5.5 関東高校大会千葉県予選準決勝 八千代高 2-1 暁星国際高]
 
 細部にこだわる八千代が関東切符獲得! 2021年度関東高校サッカー大会千葉県予選準決勝が5日に行われ、八千代高が2-1で暁星国際高に勝利。5年ぶりとなる関東大会進出を決めた。八千代は9日の決勝で日体大柏高と戦う。

「自分たちは細かいところをやり続けようと言っているので、それが出たかなと思っています」(松野聖哉主将、3年)。この日は風速10mにも及ぶ強風。後半、八千代は風下へ回り、特に終盤は暁星国際の連続ロングスローなどを受ける我慢の展開となった。

 それでも、FW納富惇也(2年)が「練習試合からずっと負ける試合はなしにして、ずっとアラートに、1回も油断せずにということをずっとやっている」という八千代は細部にこだわって隙を見せず、関東切符を勝ち取った。

 八千代MF木曽達貴(3年)のキックオフシュートで幕を開けた準決勝は、立ち上がりから風上の八千代が押し込んだ。2年前に人工芝グラウンドが完成した影響もあってか、顔を上げてプレーしている選手が多く、遠くの選手も見ながら判断よくボールを動かしていく。

 そして、MF菱田悠大(3年)がミドルシュートにチャレンジ。だが、暁星国際が11分に先制点を奪う。この日、MF木村幸太(3年)とMF羽石海優(2年)の両翼がテクニカルなドリブルを披露していた暁星国際は、木村が左CKを獲得。これを左SB林蓮磨(2年)が左足で蹴り込むと、注目CB安部日翔(3年)が頭で合わせて1-0とした。

 だが、八千代はCKでゴールを奪い返す。21分、FW田中勇羽(3年)が獲得した左CKを菱田が右足で入れると、ファーサイドの納富が得意のヘッドで同点ゴールを決めた。その後も納富が前線で確実にボールを収め、サイドからチャンスを作ると39分だ。木曽が獲得した右CKを菱田がグラウンダーでペナルティーアーク方向へ。これに走り込んだ松野が右足ダイレクトでファインショットをゴールへ突き刺した。

 暁星国際はCB安部が抜群の高さを発揮。セカンドボールを拾う回数を増やしてMF辻野悠河(3年)やMF武田雄大(3年)がサイドへボールを散らす。強みの中から外、外から中の攻撃で2点目のゴールを目指したが、内藤雅也監督が「やれている部分もありましたけれど、基礎のところ、フィジカル面含めて八千代の方が一枚上手でした」と認めたように、八千代は隙を見せない。

 国体出場歴を持つMF尾形陸(3年)を負傷で欠く八千代だったが、風下の後半は交代出場FW坂根伊織(3年)らがハードワークし、後方では松野やCB山口大翔(2年)、GK福島寛大(2年)を中心に堅いディフェンス。暁星国際もGK大瀬晴暉(2年)の強風を活かしたキックなどから押し込み、交代出場のMF明田流音(3年)がチャンスを迎え、右SB渡邉悠人(3年)のロングスローでさらにプレッシャーをかける。だが、八千代は崩れずに接戦を制し、喜びを爆発させた。

 選手権出場9回、インターハイで日本一になった歴史も持つ八千代だが、昨年度と一昨年度の選手権予選は流通経済大柏高にいずれも0-1で敗れ、その前の3年間はいずれも市立船橋高に1点差で敗れている。プレミアリーグ勢の強敵を破ることは簡単なことではない。それでも今年こそ、全国へ。そのために日常から意識の高い取り組みを続けている。

 松野は「自分たちはやるべきことを毎日毎日やるだけで、食事から、勉強から、(挨拶や清掃含めて)サッカーだけじゃないところで自分たちは差をつけないといけないので、勉強も頑張って、練習もどこのチームよりも質高く、試合で最近なかなか流経とかに勝てていないですけれども当たったら絶対に勝ちたいと思います」。現状は「まだまだ」(松野)。それでも細部にこだわり、白星と経験を重ねてインターハイ、選手権での千葉制覇に繋げる。


(取材・文 吉田太郎)

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