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[新人戦]岡山3冠、全国8強を経験して「基準が本当に高くなった」岡山学芸館。5-0で準決勝進出

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岡山学芸館高の攻撃を牽引したFW今井拓人

[2.6 岡山県高校新人大会準々決勝 岡山学芸館高 5-0 倉敷翠松高 会場非公開]

 令和3年度岡山県高等学校サッカー新人大会の準々決勝が6日に行われ、岡山学芸館高倉敷翠松高が対戦。MF岡本温叶(2年)の先制点を皮切りに5点を奪った岡山学芸館が5-0で快勝し、12日に行われる準決勝へと駒を進めた。

 昨年の岡山学芸館は新人戦、インターハイ、選手権と県の3冠を達成。この日は主力の半数以上が不在だったが、「自分たちも3冠を獲らなければいけない」(FW今井拓人、2年)と意気込む選手たちは簡単に負けるわけにはいかない。

 DF井上斗嵩(2年)が「相手はかなり引いた守備をするリトリートのチーム。あまり対戦した事がないタイプだった」と振り返った通り、序盤は岡山学芸館対策として、5バックで守備を固めた岡山翠松に苦戦。手堅い中央を避けて、MF木村匠吾(2年)と田村日夏汰(1年)がサイドからチャンスを伺ったが、相手DF山本璃音(1年)らに跳ね返された。それでも焦れずに攻め続けると、前半28分には左サイドでボールを持った田村から決定機が到来。中央の今井を経由し、PA右手前の岡本が冷静にゴールの隅を射抜いた。

 後半も思い通りにシュートまで行けない時間が続いたが、MF藤尾凌(2年)を中心にカウンターを狙った倉敷翠松の攻撃を高い位置で止めてリードを保ち続けた。飲水タイム後は「相手が点を獲らなければいけないとなり、スペースが空いた。そこからは自分たちが狙う縦に速いサッカーが出来た」(今井)。後半25分には思い切りよく右サイドを上がったDF中尾誉(2年)のクロスがオウンゴールを誘発。続く27分にも中尾のクロスからチャンスを作り、田村がヘディングシュートを決めた。

 4点目を奪ったのは、スペースへの抜け出しから見せ場を作りながらゴールがなかった今井。ベンチから「毎試合ゴールに拘れ」との激を受けた今井は、後半32分に木村のスルーパスからタイミングよくPA左を豪快に抜け出すと豪快なシュートを叩き込んだ。試合終了間際には、途中出場のDF平本葵(2年)にもゴールが飛び出し、5-0で試合を終えた。

 昨年の岡山学芸館は県内タイトルを独占するだけでなく、インターハイでは過去最高記録を塗り替えるベスト8まで進出。これまでは全国に出て満足する選手もいたが、全国に出続けた事で変化が生れている。「基準が本当に高くなった。今年は全国を経験している選手がいるので、練習の意識も高くなった。声掛けも、自分たちでもっとやらなければいけないという雰囲気が出ている。昨年一年はうちにとって、本当に大きかった」(高原良明監督)。更なる上を目指すため、選手権も含めた全国の舞台で感じたフィジカルの差を埋めるため、今年は今まで以上に肉体強化に励んでいくという。

「昨年から出ている選手が多いので、今年も3冠を獲らなければいけない。今度は新たな壁を越えてベスト4に行くのが目標。やってやるという自信はある」。そう意気込む井上を中心に残り2試合も勝利を掴み、まずは1つ目の歓喜に湧くつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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