beacon

[デンチャレ]注目大学生たちとスピード、攻守で渡り合った高校2年生DF大川佳風、より「大人」のプレーヤーへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本高校選抜左WB大川佳風(流通経済大柏高2年、12番)はサイドの守りで存在感

[3.11 デンチャレGL第3節 U-20全日本大学選抜 2-0 日本高校選抜 Jヴィレッジ]

 大学トップレベルのプレーヤーとの対戦で「通用する」手応えを掴んだ。日本高校選抜DF 大川佳風(流通経済大柏高2年)はこの日、3-6-1システムの左WBとしてプレー。対峙したのはMF安斎颯馬(早稲田大1年=青森山田高)や右SB角昂志郎(筑波大1年=FC東京U-18)という年代別日本代表候補歴を持つ実力者だったが、高校2年生のDFが渡り合って見せた。

 いずれも突破力のある安斎、角の縦突破を味方と連携する形や個でストップ。後半には高速SBモヨマルコム強志(法政大2年=東福岡高)の仕掛けも封じた。対面の選手に背後を取られるシーンがゼロではなかったものの、「昨日の映像見てめっちゃ速いの来るみたいな感じでちょっとビビっていたんですけれども、自分もスピード自信あるので縦行かせて上手く抑えられた」という78分間。攻撃性能の高さに定評のあるSB大川だが、ゴール前のカバーリングを含めて守備力も兼備していることを証明した。

「大学生相手に最初は攻撃で行こうとしたんですけれども、守備から入って自分たちの流れに持っていきたいと思っていたので、守備頑張って1対1とかあんまり抜かれなかったので良かったと思います。でも、自分の得意なのは攻撃なので、今日はそこを出せなかったのが悔しいです」。前半終盤には、相手のカバーがいることを知った上でエンドライン際までドリブル突破。だが、その回数を増やすことができなかった。

 今回、日本高校選抜で貴重な経験を重ねることができている。「(特にスピードは)大学生相手にも通用したので自信になりました。(高校選抜はU-)18の方で入れると思っていなかったので、デンソーに出れるのは凄く良い経験になっているし、ここにいるメンバーは凄くレベルが高いし、そういうところでやっていけることに感謝しながら、それでもやっていかないとプロにはなれないと思うので、もっとアピールしていかないといけない」。良い経験で終わるのではなく、この日のように高いレベルの相手でも目立つ動き、圧倒するようなプレーを見せて目標とする場所に近づく。

 流経大柏の榎本雅大監督からは「良く高校年代のプレーじゃなくて、大学生とかのプレーで高校生を相手にしないといけないと言われている。大人に近づくためにもこういうところでやれるのはデカイなと思います」。この日、U-20全日本大学選抜の左SB岡田大和(福岡大2年=米子北高)のプレーを見て、学んだこともあるという。

「相手の左バックは身体強かったり良いキックをしたりしていたので、もっと出していけたら(プロや目標とする姿にも)近づいていけるのかなと思います」。自分よりも大人の選手たちとの戦いで気付いたことをチームに持ち帰り、成長に繋げること。まずはデンソーカップチャレンジ最終日まで吸収し続けること、DFとしてチームの無失点勝利に貢献することに集中する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021
●第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集

TOP