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プリンスリーグ関西1部首位の東海大大阪仰星は勝利目前で失点。信念を持ってやり切る集団に

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東海大大阪仰星高FW水永直太朗主将がチームメートを鼓舞する

[8.26 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第10節 京都橘高 2-2 東海大大阪仰星高 KYOTO TACHIBANA STADIUM]

「何となくということがまだ強い。『絶対にこうなりたい』という信念が正直、まだまだ足りないと思います」

 後半ラストプレーの失点でドロー。プリンスリーグ関西1部首位を守ったものの、最後の最後に出た甘さによって、東海大大阪仰星高は勝点2を失った。試合後、中務雅之監督は厳しい言葉。「勝ちたい」「強くなりたい」「上手くなりたい」、ひいては「選手権に出たい」「プリンスリーグで優勝したい」「プロになりたい」といった信念、やり切る姿勢がまだまだ個人、チームに欠けているようだ。

 やるべきことを徹底することでライバルとの差を生み出し、京都U-18、G大阪ユース、C大阪U-18のJクラブ3チームに1点差で勝利するなどプリンスリーグ関西1部を首位ターン。この日の前半は苦しい戦いだったが、後半に良い守備を攻撃に繋げてFW水永直太朗主将(3年)と交代出場MF櫛田泰洋(2年)のゴールで逆転した。

 だが、水永は「後半に自分たちの良さを出せて試合をひっくり返せたことは良かったんですけれども、最後に締めることがまだまだ甘いかなと思っています。指摘されていることをまだまだやれていないので、失点に繋がっているのかなと思っています」と首を振る。

「チームが助け合うことが大切」と水永。だが、リードして迎えた後半アディショナルタイムはやるべきことを共有し、徹底することができなかった。クリアすべきところでクリアできず、連続CKを与えて失点。中務監督は「色々な部分、グラウンドの中だけじゃなくて、人任せな選手が多くて、そこがこういう結果に繋がるんじゃないかなと思います。強くぶつかり合って刺激しあうところもまだまだ弱い」と首を振った。

 G大阪内定のMF美藤倫(現関西学院大)や選手権3位時の主将、MF松井修二(元関西大)は信念と、周りを変えるほどの影響力を持っていたという。インターハイ予選で悔しい思いをしているチームの今後の目標はプリンスリーグ、選手権でのタイトル獲得。リーグ戦の結果が出ていることに甘んじることなく、変わらなければならない。

 水永は「チームとしても、個人としても、もっともっと前に出て行って欲しい選手もいますし、もっと自分らしさ、特長を出してチームにもっとプラスの方向に持っていけば、勝ちに繋がっていくと思います。当たり前のことを当たり前にできないといけないですし、プラスアルファ全員が特長を出していけばもっともっと上に行けると思います」。水永や10番MF中山蓮(3年)、CB松村瞭(3年)、GK森本真幸(3年)のセンターライン中心に力があり、各選手がゴール前の局面での強さやハードワークする力を発揮。目標を実現するだけの力を秘めている。

 水永はこの日、自分らしさを90分間継続できなかったことを反省。「キャプテンであるところで自分がらしさを出すことでもっともっと良くなっていくと思いますし、相手にもっと嫌がられると思う」。ハードワーク、声がけを継続できる選手になること。加えて、「何でもできるFWに」なるために点を決めることや崩しの質、守備面の向上も貪欲に目指していく。目標を実現するために日常から信念を持って各選手、チームで行動すること。勝つために必要なことをより身に着け、秋冬の結果に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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