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[MOM4630]中京大中京FW川村琉貴(2年)_憧れのルイス・スアレスのように。力強くゴールへ向かい、決勝点

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中京大中京高FW川村琉貴(2年)は力強いドリブルで存在感。決勝点をマークした

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.10 愛知県高校サッカー新人大会準決勝 日本福祉大付高 0-1 中京大中京高 CSアセット港サッカー場]

 中京大中京高のエースとして期待されるFW川村琉貴(2年)が、憧れの選手として挙げるのはウルグアイ代表FWルイス・スアレス(インテル・マイアミ)。力強くゴールに向かっていく姿勢は本家に通ずる部分がある。日本福祉大付高との一戦でも、ストライカーとしての本能を感じさせる得点で勝利に導いた。

 年始に右足首を怪我した影響で、今大会での出場機会は準々決勝、愛工大名電高戦の後半途中からのみ。今季初スタメンとなったこの日は、鈴村真平監督からFW花立秀明(2年)との2トップが試合の鍵を握ると声を掛けられていたという。

「2トップのどちらが取っても良いからしっかり1点取って、勝ちに行こうという気持ちで挑んだ」と振り返るが、前半は「少し意固地になっていた」(鈴村監督)ためシュートはわずか1本。本人は「前半はプレスが上手くハマらなかったせいで体力を使ってしまい、攻撃に上手く力を使えなかった」と反省を口にする。

 ハーフタイムに守備を修正し、挑んだ後半は良い形でボールを奪う回数が増え、ゴール前での仕事に力を発揮できるようになった。すると、後半13分に最大の見せ場が訪れる。花立が右サイドに開いてボールを受けると、タメからMF上田翼(2年)に展開。「上田が絶対、自分に良いボールを出してくれると感じていた」と振り返る川村は、タイミングよくゴール前に入っていく。

「コンビネーションが僕たちの武器だと思う」と続ける通り、息の合った連携は今年のチームの強みでもある。ニアに走り込んだMF鈴木成周(2年)が相手DFを引き付けて後ろに流したことで、川村がフリーでシュートが打てた結果、得点に繋がった。川村にとって今季初ゴールが決勝点となり、中京大中京がタイトルに王手をかけた。

 今でこそゴールに力強く向かうプレーで存在感を発揮する川村だが、F.Cフェルボール愛知時代は鳥栖U-18のFW鈴木大馳(2年)ら強力なライバルの牙城を崩せず、Aチームでの出場機会は少なかったという。

 だが、熾烈なポジション争いの中で磨いた点取り屋としての下地は無駄ではなかった。「サッカーは全国大会を狙える所でやりたいと思っていた。かつ、勉強もしっかりできる学校を考えたら中京だった」との理由で入学した中京大中京では、守備のプレスバックなど献身性が向上。同時に失敗を繰り返しながら、練習で仕掛け続けた結果、個人で打開できる自信を掴んだという。

 確かなポテンシャルを持ちながら、昨年は得点数の少なさが課題だったため、今年はチームを自らの力で勝たせる選手になることが目標だ。「得点ランキングの上位に立ちたい。個の力でゴールを入れていける選手になっていきたい」。そう意気込むように、今季初ゴールを呼び水に得点を重ねていく。

(取材・文 森田将義)
森田将義
Text by 森田将義

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