beacon

[デンチャレ]日本高校選抜の190cmCB小泉佳絃(青森山田)が新たな自信。最終戦でも躍動し、大学選抜の座を掴み取る

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本高校選抜DF小泉佳絃(青森山田高3年→明治大)はデンチャレでカバーリングなどが新たな自信に

[2.29 デンチャレ プレーオフ選抜 3-1 日本高校選抜]

 青森山田高2冠の立て役者が、大学生相手にスケール感大きなプレーを見せている。日本高校選抜はこの日、試合終盤の連続失点によって惜敗。だが、DF小泉佳絃(青森山田高3年→明治大)、DF渡邉優空(尚志高3年→立正大)、DF塩川桜道(流通経済大柏高3年→流通経済大)の3バックが健闘し、後半終了間際まで1-1と拮抗した戦いを演じていた。

 中でも、日本高校選抜の最終ラインで存在感を放っているのが、小泉だ。積極的に前へ出る渡邉の背後など幅広くカバー。「危ないなと思ったところをしっかりとカバーするっていうのは役目だと思うので、そこは上手くいって良かったなって思います」。190cmの大型プレーヤーは下級生時に比べて筋力が向上し、持ち味の速さ、高さに加えて強さも遺憾なく発揮している。

 今冬の選手権では、準決勝のヘディング弾など3得点と得点力も発揮。攻守両面で対戦相手を圧倒していた印象だ。その大器は、進路の明治大のトレーニングでより強度、プレースピードを向上できているという。

「大学生はやっぱり強度とかもスピードとかも速いんですけど、明治大学でも練習させてもらって、その基準っていうのが自分でも上がってるので。やっぱり他の大学とやっても、強度があんまり高いなとは感じないと言いますか、そこは自分自身も成長してるところなので、自信を持ってやっていけるところだと思っています」と頷いた。

 ヘディング、そしてカバーリングは今大会で新たな自信に。「昨日は(明治大の先輩でもある関東選抜AのFW)中村草太選手とかともやりましたけど、自分のカバーリングの予測だったり、スピードっていうところでは負けてなかったと思うので、そのカバーリングってところは本当にこのレベルでも全然通用するなって思ってる部分ではあります」と語った。

 ギリギリの際の攻防で一歩を踏み出して守り切る力も魅力。だが、大学でナンバー1のCBになるためには、これから積み重ねていくべきことがまだまだある。コーチングや連係面は課題。また、この日は力強いドリブルで攻め上がった後のパスがオフサイドになったり、味方のロストに繋がった部分もあった。

「個人としてのレベルっていうところは凄く上がったと思うんですけど、周りをもっと使いながらっていう部分は他の選手、他のトップレベルの選手と比べてまだまだだと思うので。周りへのコーチングとか、そういうところをもっと追求していければ、まずは大学でナンバー1のCBっていうところも見えてくると思うので、もっと周りにコーチングをしながら自分を発揮していくというのをやっていきたいと思ってます。伸びしろがあるっていうことをプラスに捉えながら、もっと成長していければいいかなと思います」。課題となった声がけ、攻撃の判断を含めてもっともっとレベルアップさせる。

 1日には青森山田の卒業式に出席。その後、日本高校選抜に戻り、2日に青森山田の先輩FW小湊絆(法政大1年)らを擁するU-20全日本選抜戦に臨む。小湊は昨年、日本高校選抜としてデンソーカップチャレンジに出場し、同大会初勝利に貢献。大会優秀選手、ベストイレブンに選出され、その後、全日本大学選抜入りを果たしている。

「(U-20全日本選抜には)知ってる人も多くいますし、プレミアで対戦したことのある人も多くいるので、そこは自分をアピールするチャンスでもあると思うので、(失点)ゼロで行きながらもセットプレーで1点いければいいかなって思っています。アピールして、その(全日本大学選抜の)座を掴み取りたいなって思います」と意気込んだ。先輩たち強力攻撃陣を封じ込むことは容易ではない。それでも勝って、自分の価値を引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)


●第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP