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日本高校選抜の活動をU-20W杯に繋げる。190cmCB小泉佳絃が青森山田で培った力を発揮し、堅守と先制ゴール

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CB小泉佳絃(青森山田高3年=ウインズFC U-15出身)は大学生との練習試合で先制ゴールを決め、無失点

[1.21 練習試合 日本高校選抜候補 4-1 日本体育大]

「やっぱり山田でやってきたことっていうのは、今、この高校選抜でも凄く活きていますし、 対人の部分だったり、セットプレーとか、得点っていうところは誰にも負けないと思ってるんで、そこは本当に発揮できてるので嬉しいです」

 日本高校選抜の活動を目標のU-20ワールドカップに結びつける。DF小泉佳絃(3年=ウインズFC U-15出身)は青森山田高の選手権制覇に大きく貢献した大型CBだ。190cm、84kgという恵まれた肉体とスピードを兼ね備え、選手権は準決勝での先制ヘッドなど3得点をマーク。そして、攻略困難なストッパーであり続けるなど、MVP級のパフォーマンスを見せた。

 その小泉は日本高校選抜選考合宿に参加。この日、25分×4本の練習試合の1本目に出場し、大学生の攻撃を封鎖した。青森山田で培ってきたことを発揮。「体の向きとかも、結構コーチたちにも言われて改善できている。そこはほんとに選手権の部分で改善できて、ここで発揮できてるので、凄くいいと思っています」。エンジンの大きさは“代表クラス”。だが、以前は細部を欠くところもあり、失点に絡んで敗れたインターハイ3回戦後は涙を流して悔しがっていた。

 それでも、ラインコントロールについて、青森山田のコーチと映像を見ながら1対1で指導を受け、これまで意識していなかった部分まで表現できるように。選手権では「自分も負ける気っていうか、抜かれる気はしなくて。そこは自信を持ってやれていました」。やられる気がしないほどのプレーができていたようだ。
 
 その力をこの日もも表現。そして、1本目終了間際には、青森山田でも“ホットライン”を築いていたMF芝田玲(青森山田高3年)のクロスから先制ゴールを決めた。青森山田では、昨年のプレミアリーグEAST開幕から10試合無得点に終わっていたものの、第11節での初ゴールからゴールを連発して5得点。選手権でもまるでストライカーのように得点を重ね、大学生相手にも貴重なゴールを決めた。

「(監督の)正木(昌宣)さんからも、ちょっと、ストライカー級のゴールへの嗅覚があるっていうのを言われたことがあって、そこは自分もウリとしてる部分ではあるので、守備の選手ですけど、得点ってとこでもチームを助けられればいいと思ってるので、そこをアピールしていきたい」

 小泉はこれまで年代別日本代表歴がない。今回の日本高校選抜選考合宿は、待望していた舞台だ。「レベルも凄く高くて、凄く楽しいっていう気持ちが一番強いです」。進化を続ける大型CBはこのチャンスを活かし、年代別日本代表入りに繋げる意気込みだ。

「この高校選抜で大学生とやれて自分の位置も知ることができますし、この代(U-19世代)は(来年の)U-20のワールドカップもある代だと思っているので、そこは本当に目指しているところですし、そこに食い込んでいけるように、まずここで色んな人にアピールしていきたいです。(現在は)U-20ワールドカップに入って活躍できるように、っていうことを目標にしています」

 これまで招集されなかった悔しさもあるが、「評価してくれるのは他人なんで。自分はとにかくやるだけっていう感じだと思っています。周りの環境は変えれないんで、まず自分が変わって、周りにアピールしていけばいいかなと思っています。(進学予定の明治大含めて)どこで見られてるか分かんないんで、常にマックスなパフォーマンスを出していこうと思っています」。この日は多数来場したJクラブの関係者にもアピール。U-20ワールドカップや4年後のプロ入りのために、日本高校選抜で常にベストを尽くす。

1本目23分に先制点

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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