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[MOM4677]仙台ユースDF門脇康太(3年)_点の取れる右SB。亡き祖母に捧げる2ゴール

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同点ゴールを決め、喜ぶベガルタ仙台ユースDF門脇康太(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.27 プリンスリーグ東北第4節 仙台ユース 3-1 山形ユース マイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場]

「門脇ならあそこに入っているので、そこにうまく合わせられて良かった」とFW齋藤俊輔(3年)がクロスを上げると、ゴール右ポスト脇で待っていたのはDF門脇康太(3年)だった。「あそこに突っ込んでいくのは何点差だろうが、どういう試合展開だろうが変わりません」と語る通り、ゴール右ポスト脇は門脇にとって得意なシュートゾーンだ。得意な位置から2ゴールを挙げ、ベガルタ仙台ユースに勝利を大きく引き寄せた。

 昨年の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会・JFAアカデミー福島U-18戦でも、試合終了間際にそのゾーンへ入り込み、劇的な同点ゴールを決めている。「サッカーは点を取ってナンボです。昨年もどんな形であれゴールネットを揺らす形はあったので、自然と自分の得意な形、好きな形、見せたい形があのゴール前に突っ込む姿です。トップチームのスタイルでもありますが、自分が(サッカー界で)生きていく上でああいうところで勝負したいというのはあります」と虎視眈々とゴールを狙い、点の取れる右サイドバックとしてプロを目指している。

 ピッチ上でもピッチ外でもチームのムードメーカー。木谷公亮監督も「いるといないでは雰囲気が違う」という。明るいおしゃべり好きで、ベガルタ仙台ジュニア時代はユアテックスタジアム仙台でのトップの試合前にJFA全日本U-12サッカー選手権大会の壮行式が行われた際、キャプテンとして大人顔負けの立派なスピーチをしてサポーターを驚かせた。

 この日も取材を受ける前のダウンではずっとチームメイトと話をしていた。「自分がチームのために何ができるかと言われたら雰囲気をつくっていくことだと思います。小さい頃(ジュニア)からこのクラブでやっていたので、雰囲気をつくるところは自分がこのクラブでやる上で大事なことだと思います」と、常に良い雰囲気をつくろうと努めている。

 そんな門脇だったが、この試合があった週に不幸があった。「実は祖母が亡くなって、今週練習に行けない日もあって、練習に行ってもどこかフワフワした気持ちでした」という状況だったが「でも、何か来そうだな、という感じがしました」とシュートチャンスが訪れそうな予感を感じていたという。そして、2つの決定機を決め切った。「おばあちゃんに届いたかな」。亡き祖母に捧げる2ゴールを挙げた門脇は、今後もゴールを目指して右サイドを駆け上がる。  

(取材・文 小林健志)

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小林健志
Text by 小林健志

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