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[球蹴男児U-16]東福岡が4連覇へ開幕白星。左足でゴール創出の司令塔、MF椙原陸翔は先輩の「長友佑都選手ぐらい走って」チームの“心臓”に

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東福岡高MF椙原陸翔主将は左足を武器に2得点を演出。守備でもチームの開幕白星に貢献した

[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 宮崎日大高 1-3 東福岡高 大津町運動公園球技場]

 九州地域のU-16年代において、長期のリーグ戦を通じて選手の育成及び指導者のレベルアップを図る「2024 球蹴男児U-16リーグ」のD1リーグが4日に開幕した。リーグ3連覇中の東福岡高(福岡)と宮崎日大高(宮崎)が対戦。東福岡が3-1で開幕白星を飾った。

「4連覇していきたいなと思っています」。主将のMF椙原陸翔が掲げたように、東福岡の目標はリーグ4連覇。昨年まで約20年間に渡って監督を務めてきた森重潤也コーチ(15年度選手権優勝、14、15年度インターハイ優勝)の下、「最初から守備を課題にしてやってきたんで。守備は結構言ってもらっています。みんな守備に行けてるので、よくなっているかなと思います」(椙原)というように、開幕戦では各選手が守備意識高く戦っていた。

 その東福岡が、開始直後に先制点を奪う。前半4分、椙原の左足サイドチェンジから、左のMF生水智也がドリブルでPAへ侵入。その生水はDFとの1対1から、足裏でボールを転がす形でマークを外し、一つ深く潜り込む。最後は折り返しをニアのMF野崎颯也がゴールへ押し込んだ。

前半4分、東福岡MF野崎颯也が先制ゴール

 その後も東福岡ペースが続く。「サイドチェンジとかも多く出て、守備の部分とかもしっかり行けてたんで、自分的には良かったかなと思います」という椙原やFW水田勇織を起点にMF窪田琉真と生水の両翼を活用したサイド攻撃。FW草場大輝の左足シュートが右ポストを叩くなど、相手にプレッシャーをかける。

 宮崎日大も飲水タイム前に反撃を開始。質の高いキックを見せる右SB芝吹逢翔とMF河村彩叶の右サイドからチャンスを創出。19分には、右クロスから連続シュートへ持ち込んだが、東福岡はGK冨安太一が至近距離からの2発を止めてゴールを死守する。

 宮崎日大は直後にも左サイドから仕掛け、MF吉田春輝がポケットへ侵入。ラストパスに河村が走り込んだが、東福岡左SB中村元紀がギリギリで足を伸ばしてブロック。この時間帯を乗り越えた東福岡が生水の2発で突き放す。

 前半24分、椙原のスルーパスで抜け出した生水がPKを獲得。これを自ら決めると、40分にも右SB鬼塚佳汰のクロスを頭で合わせて3-0で前半を折り返した。

 後半は宮崎日大が主導権を握る時間を増加。だが、東福岡の堅守の前に得点は後半アディショナルタイムのオウンゴールによる1点に留まった。東福岡の椙原は「前半で3点決めて、後半失点してしまったんですけど、やっぱり守り切れたのは大きいかなと思います」とコメント。そして、4連覇を達成するために、「守備の強度を90分間保ち続けることと、味方のために走るっていうことを90分間やっていきたいと思います」と誓った。

CB米崎慧が力強い守備

 椙原はスピードと絶対的な左足を武器とするボランチ。より高い強度を求めて東福岡を進路に選んだという。先輩のDF長友佑都やDF毎熊晟矢、MF荒木遼太郎が国際舞台で活躍。椙原は、「自分は走らないといけないという人なんで、(先輩の)長友佑都選手ぐらい走っていきたいなと思います。自分も世界に行けるように、やっぱりボランチなんで、守備の強度とか、サイドチェンジの本数を増やして、チームの“心臓”になれるように頑張っていきたいです」。椙原は開幕戦前に開催された開会式で選手宣誓の大役を全う。チームリーダーはこの球蹴男児U-16リーグで東福岡を勝利へ導き、評価を勝ち取る。

東福岡GK冨安太一は前半のピンチを阻止

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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