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[MOM893]桐生一FW齋藤雄大(2年)_途中出場途中交代も2発で仕事

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.10 全国高校選手権群馬準決勝 西邑楽1-5桐生一 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場]

 交代出場からわずか2分で貴重なゴールを叩き出した。桐生一の2年生FW齋藤雄大は1-1の後半12分に投入されると、直後の14分に右サイドへ開いたFW桐生隼人(3年)のパスから鋭いターンでDFを振り切ってGKと1対1に。自らつくり出したビッグチャンスを左足で決めてチームに勝ち越しゴールをもたらした。その後も鋭い飛び出しで西邑楽DF陣とオフサイドギリギリの攻防を繰り広げていた齋藤は、4-1のアディショナルタイムにも右SB坂井滉祐(3年)が出したグラウンダーのアーリークロスに反応。1タッチでゴールへ沈めて試合を決定づけると、そのまま交代でベンチに下がった。

 途中出場途中交代したのには理由がある。一週間前の3日に行われた新島学園との準々決勝は、PK戦の末に辛くも勝ち残る激闘。特に齋藤は試合後、「全身攣ってしまって…」と全身けいれんを起こしてしまったほどだったという。体力すべてを使い果たすほど走って勝ち取った準決勝への切符。本来は前線の軸を担う齋藤だが、この日はコンディション面を考慮されてベンチスタートだった。それでも「先輩たちに迷惑かけた」と意気込んでいた齋藤は、2得点を決めてチームを決勝へ導き、自身の今大会の得点数を5へ伸ばした。「決められて良かったです。いつも狙っているようなゴールでした。ずっとゴールを狙っているので決められてよかった」とホッとした表情を見せた。

 10mのスピードはチームナンバーワン。持ち味の瞬発力を活かした飛び出しでゴールを連発するストライカーは今年、群馬県1部リーグで12ゴールを叩き出して優勝に貢献している。そのFWにとっても選手権は特別だ。前橋ジュニアに在籍していた2年前、県予選決勝で桐生一がFW鈴木武蔵を中心に前橋育英を下した試合を桐生一の応援席で見て思いは高まった。「選手権は憧れの大会です。あの時は応援のところにいた。(目標とする存在は鈴木)武蔵さんです。相手を置いていくようなスピードとかすごい。自分も全国へ行きたいです。(決勝も)自分がゴールを決めて勝利に貢献したい。インターハイでは自分がチャンスを逃して負けているところがあるので決めて勝ちたい」。プリンスリーグ関東1部で首位に立つ前橋育英の守備は鉄壁。だがスピード豊かな2年生アタッカーが少ないチャンスをものにして全国への扉を開ける。

(取材・文 吉田太郎)
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