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9戦ぶりスタメン出場で決勝点のFW田原「横浜FCの勝利を第一に考えて」

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[8.5 J2第27節 横浜FC 1-0 湘南 ニッパ球]

 誰よりも警戒されていた。試合後、湘南ベルマーレの選手たちは口ぐちに「最も決められたくない選手にやられた」と悔しがった。0-0で迎えた後半26分、横浜FCはCKのチャンスを得た。MF高地系治の蹴ったボールに合わせたのは、昨季まで湘南に所属していたFW田原豊だった。

「(高地)系治さんのボールが良かったこともありますし、蹴る前に自分に付いていたマークを外していたので。その瞬間に(シュートの)軌道が良かったら行けるなっていう雰囲気は感じていました。ジャンプしてしまえば、あとは軌道だけ。高さには自信があるので。高さが生かせたと思います」と振り返る。

 田原の高い打点のヘッドで先制した横浜FCは、神奈川ダービーを1-0で競り勝った。この試合は古巣との対戦であり、9試合ぶりのスタメン出場。普段以上に気持ちが入っても不思議ではない状況だったが、田原は平常心で試合に臨めたと話す。

「点が入る予感は、毎試合ありますし、そういう意味では今日は予感が当たって良かった。毎試合、途中出場であれ、スタメンであれ、気持ちの持ちようは変わらないし、(古巣からのゴールも)特別な感情はないんですよね。前にいたチームで、応援してくれていたことは感謝していますが、今は横浜FCの一員としてプレーしているので。横浜FCの勝利に貢献することを第一に考えてプレーしています」

 J1昇格を目指す横浜FCにとって、8月は昇格を争う相手との試合が続く。それだけに、今日の試合に勝てた意味は大きいと田原は言う。

「こういう均衡した試合は、セットプレーがカギを握ることが多いと思うんです。今日はまさにセットプレーでリードできて、守備陣が頑張ってくれました。無失点で勝てたということも大きいですが、この試合を落としていたらベルマーレとの勝ち点差は(11に開き)少し離れていた。しぶとく付いていくことができたので、これからも頑張っていきたいと思います」

 この試合で90分間フル出場した田原だが、夏場は決して得意ではないと話す。「得意か、得意ではないかと言えば…得意ではないです。対策は何もないですね。鹿児島生まれですが、(夏場は)嫌いです」と苦笑した。だが、得意ではない夏場でも、チームのために戦う覚悟はできている。

「まだ横浜FCは上に行ける可能性があります。その可能性がある以上は、常に上を目指して、最後に良い結果を出せるように頑張っていきたい。これからもどのチームでも結果を出し続けたいと思います」と、チームを上位に導くために得点を挙げ続けることをサポーターに誓った。

(取材・文 河合拓)

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