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巻を外した千葉、新居&谷澤の2トップに光明

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[3.29 ナビスコ杯第2節 千葉1-1柏 フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉は公式戦4試合連続の1-1ドローで、またしても今季初勝利はならなかった。しかも、ここ3試合はいずれも先制しながら追いつかれての引き分け。前半8分に先制点を決めたFW新居辰基は「同じような試合を繰り返している。2点目を取らないと。簡単には取れないけど、少ないチャンスで決められれば。後ろだけの責任じゃない」と唇をかんだ。

 シュート数は8対18。毎試合のようにフィニッシュが少ないのは気がかりだが、この日の試合に関してはシュート数以上にチャンスになりそうな場面はあった。

 25日の神戸戦から中盤をダイヤモンド型にした4-4-2に変更し、前線も新居と谷澤達也の組み合わせに変わった。早いタイミングでスピードのある2トップを最終ラインの裏に走らせる攻撃はシンプルながら、相手の脅威になっていた。柏のDF古賀正紘も「相手の2トップには少なからずやりにくさがあった。連動して動かれて、分かっていても(対応が)難しかった。起点をつくらせたくなかったけど、いい守備ができなかった」と認めている。

 谷澤は「チームとしてのバランスは良くなってきた。(新居とは)お互いに考えていることが近いし、やりやすい」と手応えを口にした。あとは2人の関係をさらに磨くこと。両方が裏を狙うのではなく、どちらかが引いてくさびのパスを受け、そこに2列目からのフォローが入り、攻撃に厚みを加える。それができれば、チャンスの数はもっと増えるはずだ。

 悩ましいのはFW巻誠一郎の起用法だ。この日は後半30分から谷澤に代わって途中出場したが、その1分後に失点すると、さらに前がかりになる柏に対してカウンターが有効だったはずだが、攻撃が機能しなくなった。新居&谷澤の2トップと、巻が入った2トップでは攻め方も大きく変わる。その使い分けをチームとして消化できていない。ミラー監督が今後、どちらを優先していくのか。そこにチームの浮沈も懸かってくる。

(取材・文 西山紘平)

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