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仙台は先発3選手入れ替えも政権初の3連敗。太田&鎌田は無念

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[4.25 J1第8節 湘南1-0仙台 平塚]

 ベガルタ仙台は“粗治療”も実らなかった。DF渡辺広大に代えてDF鎌田次郎、MF関口訓充に代えてMF太田吉彰、MFフェルナンジーニョに代えてFW中島裕希と主力3選手を入れ替えたが、3連敗となった。

 G大阪や鹿島を苦しめた面影はなく、攻撃の形も単調だった。J2から昇格したばかりで、連敗はしかたないといえるが、相手は昨季までともにJ2で戦い、過去リーグ戦17勝5分け8敗と大幅に勝ち越していた湘南だけに悔やまれる。今季初先発となった太田は「勝ちたかったので、残念。内容もさほど良くないし、ボールにほとんど絡めなかった」と嘆いた。

 これまではJ2でやってきたようにボールを回して攻めるスタイルと、フェルナンジーニョの突破力に頼ってきたが、その戦い方は相手にも研究され、J2では無敵だった梁勇基&関口のアタッカーも、マークに苦しんだ。当然、全体的に、個人能力の差もあった。開幕当初の勢いは消えた。

 この日は高さの中原貴之とスピードもヘディングもある中島の2トップにし、サイドから徹底してクロスを入れる作戦を取った。前半はうまくハマっていたが、湘南も対応してきたため、バイタルエリアを崩しきれなかった。

 太田は持ち味のドリブルで打開しようと考えたが「自分の仕掛けがうまくいかなった。もっと(DFとボランチやスペースなど)間で受けて仕掛けないといけなかった」と戦術に縛られすぎて持ち味を発揮できなかったことを悔やんだ。

 鎌田は今季リーグ戦初出場だった。流れの中からの失点はなく「自分としてはけっこうやれた」と手ごたえを口にしていたが、勝利を奪えず「悔しいです」と本音を漏らした。控えに追いやった渡辺は昨季からの守備の要だけに、ようやくたどりついた先発をいつまた、奪われるかわからない。それだけに「次また出られるように、1週間しっかりと練習したい」と表情を引き締めた。

 3連敗は手倉森誠監督が就任して3年目で初めて。精神的なダメージが懸念されたが「3年目で3連敗というのも、いい語呂じゃないですか。チームとしては初の経験ですから、これを糧にしてやっていくしかないと思っている。負けたことで悲壮感を持つ必要はないと選手とは話した」と指揮官。次は、前節に不敗神話が途切れたとはいえ、圧倒的な勝率を誇るホーム戦。相手もC大阪と不足はない。大サポーターの声援を力に変えて勝利をつかむ。

(取材・文 近藤安弘)

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